2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K05084
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松木 敏彦 龍谷大学, 文学部, 教授 (20157283)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 古典群 |
Outline of Annual Research Achievements |
標数が2でない任意の無限体上の偶数次 split 直交群の多重旗多様体について、有限型(軌道の数が有限個)になるための必要十分条件が得られた。特に、直積成分の旗多様体の数は3以下であることが必要である。また、1つの直積成分が full flag variety の場合は J. Stembridge (2003年) による spherical な2重旗多様体の分類に一致する。 すでに解決している奇数次の場合と同様にして、次数の小さい(6、8、12次の)無限型3重旗多様体をいくつか構成し、それらを直和成分に持つものをすべて除外することによって、有限型になるための必要条件を決定した。また、体の性質(平方数のなす部分群の index)に依存する必要条件についても、奇数次の場合のものにもう1つ追加の条件を与えた。 得られた条件が十分条件であることの証明にも奇数次の場合の方法を用いた。まず、すべての直積成分が full flag variety でない場合について、奇数次のときの論法を精密化することによって軌道分解の有限性を証明した。1つの直積成分が2つの空間による旗である場合は奇数次のときの方法がそのまま適用できるが、3つの空間による旗の場合についても証明が必要になった。 1つの直積成分が full flag variety の場合についても、任意の体についての定理であるので、具体的に証明した。このために、一般線形群の full flag variety の典型的な部分群による詳しい軌道分解を与えた。これは一般線形群の軌道分解としても新しいものであると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
偶数次直交群の多重旗多様体が有限型であるための必要十分条件が得られたため
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Strategy for Future Research Activity |
論文を完成させ、公表する。
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Causes of Carryover |
何人かの研究者を招待して研究会を行なったが、すべての研究者が自分の科研費によって出張したためである。次年度は、様々な学会で成果発表を行なう。
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