2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research of special functions associated with moduli spaces of algebraic varieties
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16K05086
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松本 圭司 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30229546)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超幾何微分方程式系 / モノドロミー表現 / ねじれホモロジー群 / 既約性 / テータ関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
2変数階数9の超幾何微分方程式系から定まる局所系の構造を解明した。底空間の基本群の生成元を与え、それらがみたす関係式を完全に決定した。また、モノドロミー表現が既約となるための十分条件をパラメーターに関する27個の非整数条件として与えた。この27個の条件のうちただ1つだけがみたされない場合に、モノドロミー表現の不変部分空間を特定することで、モノドロミー表現が可約になることを示した。この結果に関しては、現在論文を投稿中である。 昨年から考察していた射影直線の4次巡回被覆として実現される種数3の代数曲線 C の Prym 多様体 P(C) の構造をより詳細に解明した。被覆変換群の生成元の2乗で定まる involution の作用に対して、1次ホモロジー群の (-1)-固有空間の指数2の部分加群を導入することで、P(C) はある1次元複素トーラス T の2つの直和 T+T の2重被覆となっていることがわかる。代数曲線 C から T+T への Abel-Jacobi 写像の類似写像と T に関するテータ関数を用いて、C 上の有理型関数体の生成系の具体的な構成法を与えた。その応用として、2変数超幾何微分方程式系 Appell F_2(1/2,1/4,1/4,1/2,1/2) に関する Schwarz 写像の逆写像を具体的かつ簡潔に表示した。この結果に関しては、現在論文を作成中である。 (k,n)型超幾何微分方程式系のモノドロミー表現を与えた。定義域の基本群の生成系に関する自身の予想を共同研究者が解決し、その結果を基にして周回変換をねじれホモロジー群の交点形式に関する鏡映として実現できることを示した。この結果に関しては、現在論文を作成中である。
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Research Products
(4 results)