2018 Fiscal Year Research-status Report
一般化された量子群およびコクセター亜群に関連する代数系の研究
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16K05095
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山根 宏之 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (10230517)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コクセター群 / 一般化された量子群 / スーパーリー代数 / ニコルス代数 / ホップ代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、主に次の(1)~(3)の研究をおこなった。(1)単純リー代数の普遍包絡代数に関して、対応する有限体上の代数Uのシャポバロフ行列Shの研究をおこなった。そのシャポバロフ行列の行列式|Sh|がゼロでないことの証明を試みたが厳密な証明の完成をすることが出来なかった。ルスティック型ルート元の正のものと負のものの間の交換関係の様子を知る必要があり当初に予想したほど容易ではないことが判明した。因みに一般化された量子群U(χ)のシャポバロフ行列Sh(χ)についてはその行列式|Sh(χ)|がゼロでないことはドリンフェルド双線形形式が非退化であることより自明である。 (2)低ランクの一般化された量子群U(χ)のワイル亜群W(χ)のケーレーグラフΓ(χ)のハミルトン閉路の研究を行った。単純リー代数のワイル群のケーレーグラフのハミルトン閉路の構成はランクが2の場合に帰着できることがよく知られている。Γ(χ)についてはランクが3の場合にU(χ)のディンキン図形に3角形が現れることにより問題が複雑である。ランクが3の場合はケースバイケースでほとんどの場合にハミルトン閉路を構成した。ランクが4の場合はランクが3の場合に帰着しないといけないがその帰着の仕方に統一的な方法がある訳ではなく非常に巧妙な議論が必要であることを理解した。 (3)qが1のべき根のときのランクが1のアフィンリー代数{\hat sl}_2(C)の量子群Uq({\hat sl}_2)の中心拡大について研究をおこなった。当初は有限体Fp上で定義される{\hat sl}_2(Fp)の普遍包絡代数U({\hat sl}_2(Fp))の中心拡大と状況がよく似ていると期待したが、そうではなさそうであることが判明しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に予定していたプロシーディングの出版が平成31年3月に行われた。一般化された量子群のハリシュ・チャンドラ理論に関する3つ目の論文の作成が順調に行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は主に上記のΓ(χ)のハミルトン閉路の研究を推進する。
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Remarks |
下記の編集長を務めた。出版費用は当該研究費による。掲載論文は14本(複数の著者による)Proceedings of Meeting for Study of Number Theory, Hopf Algebras and Related Topics, Yokohama Publications, 2019年3月出版 ISBN 978-4-946552-65-6
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Research Products
(20 results)