2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K05108
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
岡 睦雄 東京理科大学, 理学部第一部数学科, 教授 (40011697)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 混合多項式 / レンズ方程式 / 馴れた特異点 / Lojasiewicz不等式 / Whitney Stratification |
Outline of Annual Research Achievements |
混合特異点の研究の一つとして、残されていた縮約とイソトピーの問題を稲葉、川島と共著で解決したことは重要な結果の一つである。これは数年前に私がBrieskorn型の混合多項式と、Tree型の時示して、その時予想として残されていた巡回型混合多項式に関して問題を肯定的に解決したものである。またレンズ方程式と混合多項式のモジュライ空間の関連に関してはメキシコ―ブラジルの共同国際会議で2015年に発表し、そのプロシーディングに論文として発表したものが今年度中に出版予定である。この結果は数学者のみならず、天文学の研究者にも興味を持たれている。また新しい関連テーマとしてLojasiewicz不等式の非退化超局面の場合の具体的評価式を与え、それを混合多項式に拡張して2017年2月21日ハノイでの特異点ワークショップで発表したことも重要な結果の一つである。これは30年前の福井の評価式の間違いを修正して少し弱い評価式を与えたものである。また非孤立超曲面族の位相不変性に関してはC. Eyralとの共同研究で肯定的な結果を得て、6月3-11ポーランドでの「多変数関数とその幾何学」国際会議で発表し、さらに拡張を共同研究中である。C.Eyral, T. Ohsawa氏たちと研究議論を行い充実した情報交換が持てた。2017年2月6-10日、スペインのSevilleでの「Panorama of Singularities」でレンズ方程式とモジュライの関係を講演して、Le.D.T, B. Tessier, M. Tosun, A. Nemethi, L. Paunescu氏などと最近の研究状況に関して情報を交換して意義ある議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レンズ方程式とモジュライ空間の関係に関しては、一般化されたレンズ方程式の根の上限を正確に決定する作業が実際の例の不足などによって、多少難航している。また縮約に関したイソトロピー問題は擬斉次多項式以外では、計算が極度に複雑となりあまり進んでいない。非孤立特異点属の位相具編成に関しては「馴れた」特異点のもとでは肯定的は結果が得られたが、この条件を外すといまのところ決定的な結果は得られていない。 Lojasiewicz不等式のニュートン非退化な場合の具体的な評価はすでに得られている「福井」の評価式の間違いを治すことから出発し、少し弱い評価式は得られたが、さらに強い結果はいまだ格闘中である。
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Strategy for Future Research Activity |
1. Lojasiewicz不等式のさらなる精密化を行い、便利性を持たない超曲面の便利性を持つ超曲面に直してそれがイソトピーの中で行われることを、正則特異点、混合特異点でしめすこと。Lojasiewicz非退化の仮定をいかに除くことができるかを決定したい。 2.擬斉次多項式でない混合特異点のニュウトン境界の縮約の位相不変性を調べる。さしあたっていくつかの具体例を調べることから始める。
3.一般化されたレンズ方程式の根の理論的な上限をoptimalに求める。ミルナーファイバーの連結性を具体例で調べて、一般化を試みる。
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