2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K05108
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
岡 睦雄 東京理科大学, 理学部第一部数学科, 教授 (40011697)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | Lojasiewicz 不等式 / 利便多項式 / 一般化Lens多項式 / Minor束の連結性 |
Outline of Annual Research Achievements |
混合特異点に関するミルナー束に関し、以下の結果を得た。 1。Lojasiewicz 不等式の混合多項式への拡張と非退化の時の具体的な評価を与え、その応用として利便でない混合多項式をトポロジーを変えずにどのような高次の項を加えて利便多項式にできるかを示した。この結果はKodai JOurnal of Math.に発表した。またポーランド学派と何回か議論して説明し、興味を示してもらった。 2。一般化されたLens方程式の概念を導入し、そのゼロ点の個数と対応する2変数強斉次混合多項式のモジュライ空間との関係を明らかにした。またRhieの結果を拡張した評価式を与えた。この結果はブラジルでの特異点国際会議のProceeding"Singularities and Foliations. Geometry, Topology and Applications, Salvador, Brazil,2015, Springer Proceedings in Mathematics \& Statistics"に発表した。
3。混合多項式のミルナー束のファイバーの連結性は一般には何も知られていない。この連結性を(正則関数に関して一般的な)モース関数の手法を使わずに新しい手法を使って示した。この結果は正則関数の場合にも加藤-松本の定理では記述できない新しい結果を与える。この結果は近々発表予定である。arXiv:1711.09537に仮発表してある。 4。超曲面特異点の入門的教科書を出版し、正則関数の場合から出発して混合多項式までの特異点理論を説明した。修士、博士課程の学生が特異点理論を勉強する際の入門書として使えると期待している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
混合多項式のミルナー束の連結性は一般には何も知られていなかった。然るに混合多項式からくるノットやリンクは正則関数からくるそれよりはるかに豊かで応用が期待できる。それに関してまず連結性を一般に示せたのは大きな一歩と言える。また単列性に関しては、単体的混合多項式、ジョイン型多項式などでは知られているが、それ以外では全く知られていなかったのであるが、予想として幾つかの非自明な例を示して、今後の研究テーマとしてあげた。また「複素および混合超曲面特異点入門」を丸善出版から出版したことは混合特異点の入門書としては初めてのものなので、今後学生がこのテーマを研究する際の手助けとなることが期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
単連結性の予想の解決を目指して新しい研究手段の開発を試みることが重要である。さらに高次元の場合には高次の連結性 (n変数なら(n-2)連結)を調べることが重要となる。 一般混合多項式の今の個数の精密な評価式を与えることはモジュライ空間の連結成分の個数と対応して極めて重要と思われる。特に3次元多様体で3変数混合多項式からくるものは正則リンクより格段に豊富なのでこの分類も興味深い研究対象である。とりあえず2変数、3変数の場合を集中して研究をおすすめる。
|
Research Products
(8 results)