2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K05113
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
楫 元 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70194727)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ガウス写像 / グラスマン束 / 次数公式 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き「射影多様体の一般ガウス写像の研究」を行った. ガウス写像の像の次数についてその漸近的挙動について調査し, 成果は論文「Higher Gauss Maps of Veronese Varieties-a generalization of Boole's formula and degree bounds for higher Gauss map images」にまとめ, 学術雑誌「Communications in Algebra」に投稿した. 掲載決定となり, 2018年3月1日にonline 版がインターネット上で公開された. 一方, tangential trisecant lemma の問題について取り組んだ. これは, 「空間曲線の一般の点における接線が再び曲線と交点を持つとき, それは平面曲線か?」という, Terraciniの問題である. これまでの研究から, 標数零の基礎体上の曲線にマイルドな特異点を許す場合については肯定的に解決されている. 標数零の基礎体上の一般の空間曲線について肯定的に解決することを目指した. そのために, 正標数におけるHomma-Estevesの反例について詳細に調査し, 解決に向けたある程度の結果は得たが, 解決するには至っていない. tangential trisecant lemma については, 途中経過を研究集会「第5回代数幾何学研究集会-宇部-」 (宇部工業高等専門学校, 2018年1月6日) で招待講演を行なった. また, グラスマン束の次数公式の新証明について, 研究集会「25回沼津改め静岡研究会」(静岡大学, 2018年3月7日) で招待講演を行なった. 高知大学理学部, 北海道大学理学部, そして, 京都大学数理解析研究所に2回, 研究出張を行い, 情報収集および研究打ち合わせを行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究で, 一般ガウス写像の像の次数の公式を得ることができ, また, 次数の漸近的挙動についてバウンドを得ることができた. さらに, これらの結果を論文に纏め学術雑誌「Communications in Algebra」に投稿することができた. 掲載決定となり, 2018年3月1日にonline版はインターネット上で公開されている.
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度に引き続き, tangential trisecant lemma の問題について取り組みたい. これまでの研究から, 標数零の基礎体上の曲線にマイルドな特異点を許す場合については肯定的に解決されている. また, 2017年度に肯定的解決に向けたある程度の結果は得ているが, 解決するには至っていない. 今後は, 標数零の基礎体上の一般の空間曲線について肯定的に解決することを目指す.
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Causes of Carryover |
本務の仕事が忙しいことなどから, 研究課題に関する研究打ち合わせや情報収集のための海外出張が思うようにできなかったことにある. 次年度は, 時間を作って積極的に海外での研究打ち合わせや情報収集を行なってゆきたいと思う.
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Research Products
(2 results)