2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study of stability of periodic minimal surfaces and their limits
Project/Area Number |
16K05134
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
庄田 敏宏 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (10432957)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 三重周期的な極小曲面 / 体積保存安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
三重周期的な極小曲面は界面活性剤の膜の数学的モデルであり,こうした膜は一時的な変化があったとしても最終的には安定した状態になる.この安定した状態というものを数学的に記述することが本研究の課題であった.この安定性を面積の最小性を用いて記述するのが微分幾何学では主流である. 一般に,極小曲面に対しては,Morse指数と退化次数という,面積最小からどれだけ離れているかを表す幾何学的不変量が知られている.最近では符号数という新しい不変量も発見されており,Morse指数よりも計算が容易であるという利点も判っている.昨年度までで報告した通り,物理学者たちによって研究されている三重周期的な極小曲面の変形族に対してそのMorse指数や退化次数および符号数を特定することができた.そこで最終年度である本年度では,3次元ユークリッド空間内の三重周期的な極小曲面に対する安定性の研究を実現した. ここでは1984年にBarbosa-doCarmoによって精錬された「体積保存安定性」を用いて三重周期的な極小曲面を考察する.この着想は1992年にMarty Ross氏が特殊な具体例に対して研究を進めたものである.Rossの手法を発展させ,昨年度までの研究で取り扱った三重周期的な極小曲面の変形族に対する体積保存安定性を特定した.具体的には,このような変形族の中でMorse指数が1のものはすべて体積保存安定であることを示した.なお,この結果は微分幾何学の国際誌に掲載される運びとなった.
|
Remarks |
本研究課題の代表者によって作成されているHPにて公表されている業績である.
|
Research Products
(3 results)