2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of geometric structures of chaotic dynamical systems by use of general topology and continuum theory
Project/Area Number |
16K05141
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加藤 久男 筑波大学, 数理物質系, 教授 (70152733)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 位相力学系 / 幾何学的トポロジー / カオス / 位相エントロピー / フラクタル / 位相次元 / 連続体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究での第一の課題は、トポロジーと位相力学系に関わる多くの問題のうちでコンパクト距離空間の連続写像のカオス性についての問題、特にカオス力学系の核になる空間のindecomposability 性について詳しく研究することである。この課題について以前から以下の結果が知られていた。1994年、Barge等はグラフ上の写像の逆極限とシフト写像という制限された条件の下で、以下の3つの条件:正のエントロピー、horse shoeの存在、indecomposabilityの存在が同値であることを証明した。またKennedy, Yorke は多様体の力学系に現れる複雑なトポロジー、特にindecomposability の研究を長年続けている。2002年、Blanchard 等はこの方面の長年の予想「正のエントロピーは Li-Yorke のカオスを導く」を証明して大きなブレイクスルーとなった。2011年、Mouron は arc-like の場合に、正のエントロピーが indecomposabilityを導くことを証明している。また近年、局所エントロピー理論が Blanchard, Ye, Kerr, Li などの研究により大きく発展し、現在エントロピー理論の新局面を迎えている。こうした中にあって、研究代表者は2015年 Darji との共同研究で、正のエントロピーをもつ同相写像を許容する一般のグラフ・ライクな連続体は indecomposable 連続体を含むという定理の証明に成功した。さらに研究代表者は2017年から2018年の2年間に、この成果を更に発展させてグラフ・ライク連続体上ではBlanchard等の結果と空間の indecomposability を融合した全く新しい幾何学的かつ力学的構造定理が得られることを示した。この定理の証明のために幾つかのアイデアを導入したが、これらのアイデアは今後のこの方面に大きく貢献できる重要な道具になると考えている。
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Research Products
(8 results)