2019 Fiscal Year Research-status Report
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16K05142
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
遠藤 久顕 東京工業大学, 理学院, 教授 (20323777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 和徳 大阪大学, 理学研究科, 講師 (40252572)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 4次元多様体 / 写像類群 / Lefschetzファイバー空間 / Morse-Novikov理論 / 井上曲面 / チャート表示 / 写像トーラス / 複素多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究は、平成28年度基盤研究(C)(一般)研究計画調書「研究計画・方法」欄および平成28年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)交付申請書「平成31年度の研究計画」欄に記載した計画に基づいて実施された。 松本幸夫氏と岩瀬順一氏(金沢大学)によって導入されたポシェット手術およびその一般化に関する研究に関しては、研究室に所属する修士課程の大学院生と様々な議論を行い、研究対象への理解を深めた。特に、4次元球面に埋め込まれたポシェットに沿うポシェット手術によって4次元球面が得られるための十分条件をいくつか求めた。 研究協力者のAndrei Pajitnov氏(ナント大学)との共同研究に関しては、昨年度の共同研究において発見された井上曲面の高次元への新しい一般化に関する研究を継続した。 結果として、昨年度に得られた一般化をさらに一般化することができた。昨年度に得られた一般化の底空間は円周であったが、Dirichlet単数定理を用いて互いに可換な行列を生成することにより、底空間がs次元トーラスとなる一般化が構成された。これまでに構成された様々な一般化とは異なり、これらの一般化のモノドロミー行列は対角化可能であるとは限らない。高知工科大学と大阪大学において催された2つの研究集会において、この共同研究に関する口頭発表を行う機会に恵まれた。 尚、芥川和雄氏(中央大学)、Harish Seshadri氏(Indian Institute of Science)との共同研究をまとめた共著論文が、本年度中にMathematische Annalen誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポシェット手術およびその一般化に関する研究の進捗状況は、当初の計画で予定された範囲内である。井上曲面の新しい一般化に関する研究は、昨年度から新たに研究計画に追加した研究であるが、さらなる一般化が得られたことはひとまず満足できる結果であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度基盤研究(C)(一般)研究計画調書「研究計画・方法」欄および、平成28年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)交付申請書「平成31年度の研究計画」欄に記載した計画に基づいて実施する予定である。また、井上曲面の新しい一般化とその性質の解明についても、平成31年度に引き続き研究を行う。
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Causes of Carryover |
研究打合せおよび成果発表のための研究代表者のナント大学への出張経費が先方負担となったため、次年度使用額が生じた。次年度中にも研究打合せを行うため、研究代表者のフランスへの出張旅費に充てる予定である。
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