2016 Fiscal Year Research-status Report
変形バーグマンフォック表現を通した非可換確率論の研究
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16K05175
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
浅井 暢宏 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60399029)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 変形フォック空間 / バーグマン測度 / 量子確率論 / 直交多項式 |
Outline of Annual Research Achievements |
B型コクセター群に付随したフォック空間とその上での非可換ガウス過程(場の作用素)の研究(BEH)に関わり,浅井は長谷部ら(ABH)と協力し付随するB型バーグマン測度の動径密度の具体表示を得たが,九大IMIでの数学的場の量子論についての研究集会,および韓国,ポーランドで開催された量子確率論の国際会議に招待され発表する機会を得た.これは1モード相互作用フォック空間のアプローチの有用性を示す結果であった. 一方,BEHではB型コクセター群の長さ関数による2パラメータ荷重対称化作用素を用いているが,これはBozejko-Speicher(BS)のA型での方法を一般化したものであるから,B型フォック空間は2パラメータ荷重変形自由フォック空間と見なすことが出来る.このことから,BSやBEHを踏襲しない対称化作用素の検討を新たに始めた.場の作用素の分布や付随するバーグマン測度等が具体的に計算出来る例を含む形での理論構築を目指している.そのため,連携研究者の協力のもと,数値計算ソフトを用いた実験を行った.その結果,2モード相互作用フォック空間の枠組みが本質的役割を果たす具体例の存在が判ってきた.現時点で証明は出来ていないが,今後興味深い進展が期待される. なお,B型フォック空間上のガウス過程は作用素環論的にも興味深い研究対象である事から,もう一人の連携研究者に対して,作用素環研究者との研究討論・情報の交換を目的とした出張依頼をした.また,関連研究集会に出席することにより他研究者との専門的知識の共有を行った.さらに,関連書籍を購入することにより新たな知識・知見の獲得を行うと同時に,関連研究情報の調査を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フォック空間の一般化と付随するガウス過程(場の作用素)の構成とその分布について,連携研究者との研究打合せを重ねた結果,2モードフォック空間の枠組みが本質的に働く具体例の存在が数値実験によって確認できたことは有益であった.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の結果を踏まえ,より一般的な方法によるフォック空間とその上での一般化ガウス過程(場の作用素)について引き続き考察する.これは対称化作用素の一般化に直結しているが,付随するガウス過程(場の作用素)やその分布,および付随するバーグマン測度等,量子確率論的に意味のある事柄を具体的に計算出来る例を含む形での一般化を目指したいと考えている.連携研究者とは数値計算ソフトを用いた実験を含んだ形態での密な研究連絡・打合せを継続する予定である.また,関連書籍から知識を集めること,関連研究集会に出席し,出席者らと専門的知識を共有することで,本研究課題の更なる進展へとつなげたい.
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Causes of Carryover |
購入予定であった書籍の出版遅延による.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度購入できなかった書籍を購入すると同時に,H29年度配分予算の一部と合算することにより,関係書籍を購入する予定.
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Research Products
(7 results)