2018 Fiscal Year Research-status Report
変形バーグマンフォック表現を通した非可換確率論の研究
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16K05175
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
浅井 暢宏 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60399029)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 変形フォック空間 / ポアソン型作用素 / 直交多項式 / 変形マイクスナー分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
ある種の変形フォック空間上での作用素とその分布に関する研究を継続した.B型フォック空間上でのガウス型作用素の分布としては二つの変形パラメータを含む対称な確率分布が表れ,A型qガウス,自由ガウスおよび対称自由マイクスナー分布を含むことが知られていた.一方,同空間上での非対称な確率分布の取り扱い可否については未解明であった.代表者の淺井は連携研究者と共に,B型類似のポアソン型作用素が自己共役作用素として実現出来ることを示し,それがq二乗マイクスナー族の分布で記述出来ることを示した.鍵になるのは,2つの変形パラメータの選び方と荷重B型フォック空間の設定である.我々の論文はJ.Math.Physに掲載された(2019年1月).さらに,母関数の文脈で淺井らが2013年論文で扱った直交多項式系に属する一つの例と荷重B型フォック空間との興味深い関係が姿を現しつつあり,引き続き同空間上の作用素をq直交多項式の観点から調べている.このことからも,非可換確率論におけるB型変形・補間理論の更なる進展が期待できる.AMS-MAA合同数学会(ボルチモア)では,スタン氏(オハイオ州立大)らと共に非可換確率論と直交多項式論を主テーマとするAMS特別セッションを立上げ,関連研究者との交流を行うと同時に,口頭発表することで本研究について情報発信を行った.特に,スタン氏とは多モード相互作用フォック空間,アンシェレヴィッチ氏(テキサスA&M大)とはウィック公式について意見交換した.国内では,北海道大学で開催された非可換確率論に関する研究集会(2018年11月)にて口頭発表した.その他,関連研究集会に出席することにより連携研究者・協力者らとの専門的知識の共有を行った.さらに,関連書籍や専門雑誌を購入することにより新たな知識・知見の獲得を行うと同時に,関連研究情報の調査を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の路線と方法は、おおむね予定どおりである.研究成果は,国内・外の研究集会で口頭発表を行うと同時に論文を出版することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
フォック空間上での非可換確率過程の構成に関する研究を継続する.前年度までに得られた成果を含む形で,より広範なクラスの確率過程の構成にチャレンジする.すでに招待されている米国での国際研究集会を含め,本研究課題で得られた成果を内外に発信する.また,国内の研究集会等に出席することで専門的知識を付加することにより,次期研究課題へと繋げたいと考えている.
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Causes of Carryover |
(理由)購入予定であった専門書籍の出版遅延により繰越金が生じた. (使用計画)平成31年度分と合算することにより,購入できなかった書籍を含め,関係書籍,専門雑誌を購入予定.
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Research Products
(6 results)