2018 Fiscal Year Annual Research Report
Applications of quantum toroidal algebras to integrable systems
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16K05183
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
神保 道夫 立教大学, 理学部, 特任教授 (80109082)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | トロイダル量子群 / 運動の保存量 / 共形場理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は次の2点にわたる。 1)sl2 coset 共形場理論における運動の保存量(IM)の q 変形の研究。IMのスペクトルとある種の常微分作用素族との間に1対1対応(ODE/IM対応)が期待されている。この対応の観点からもっとも基本的と思われる共形場理論は (sl2)_{k1}x(sl2)_{k_2}/(sl2)_{k1+k2} の形のcoset理論である。本年度はその自由場表示のq変形を構成した。対応するW代数は遮蔽作用素による2通りの記述を持つ。q 変形ののち一方の遮蔽カレントのなす代数は3つの(互いに可換ではない)トロイダル gl2 代数となる。それらから作られるIMは互いに可換になることを示した。以上の結果は論文にまとめ、投稿中である。またW代数のq変形の基本的なカレントを構成した。もう一方の代数は例外型超代数 D(2,1;a) のトロイダル版となることが期待されるがその詳細は今後の課題である。 2)アフィンevaluation写像と脇本加群の研究。代表者がかつて導入した gln 型アフィン量子群から有限型量子群へのevaluation写像のアフィン化であるトロイダル量子群からアフィン量子群への準同型が三木によって得られている。本年度は Gelfand-Zetlin pattern で実現される脇本型加群をevaluation写像で引き戻して得られるトロイダル gln 加群を考察し、可換なn個のトロイダル gl1 部分代数に関する既約分解を決定した。これについては論文を投稿中である。
研究期間全体を通じ、A型トロイダル量子群に付随する IM のq変形の構成とそのスペクトルについて基本的な枠組みを明らかにすることができた。他方、IMの双対性などA型特有の事情に依存している部分もあり、ODE/IM対応の十分な理解には至らなかった。
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Research Products
(2 results)