2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K05201
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
冨田 直人 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (10437337)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多重線形作用素 / 擬微分作用素 / フーリエマルチプライヤー |
Outline of Annual Research Achievements |
2000年ごろから,実解析学の分野では多重線形調和解析が盛んに研究されるようになり,この20年で基本的な理論は構築されたように思う.本研究では,双線形ヒルベルト変換の有界性などに代表される残された未解決部分に対し,どのようにアプローチするべきかを研究し,そして問題解決への糸口を見つけることを目標としている. 2018年度は,加藤睦也氏(群馬大学)と宮地晶彦氏(東京女子大学)と共に,S_{0,0}型の多重線形擬微分作用素の研究を行った.次の3点が我々の研究のセールスポイントである.(1) 多重線形擬微分作用素の有界性を保証するためにシンボルが満たすべき減衰条件を,一般的な重み関数を用いて表現し,我々の得られた結果はこれまでに知られていたものの改良になっており,ある意味で最適なものである.(2) 擬微分作用素の有界性を保証するためのシンボルの正則性について明らかにすることができた.(3) これまではルベーグ空間の枠組みで有界性が議論されてきたが,S_{0,0}型の多重線形作用素はアマルガム空間と呼ばれる関数空間と非常に相性がよく,アマルガム空間の枠組みで議論することにより,従来の有界性を改良することができた. アマルガム空間を用いるアイデアは新しく,今後興味深い研究に発展できる可能性を秘めているように思う.この多重線形擬微分作用素の共同研究については,1つはすでにarXivに載せており,現在2つ目の論文をまとめている最中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的な状況において,多重線形擬微分作用素の有界性を保証するためのシンボルの滑らかさを決定することが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に開始した多重線形擬微分作用素の有界性を保証するためのシンボルの正則性,およびアマルガム空間の有用性に関する研究を発展させる.
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Causes of Carryover |
参加予定だった研究集会への出席を取りやめたため,次年度使用額が生じた.共同研究者との研究打ち合わせ費用として使わせていただく.
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Research Products
(5 results)