2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K05207
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 智成 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (00303173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幹雄 信州大学, 工学部, 非常勤講師 (50090551)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不動点 / 縮小写像の条件 / ν-generalized metric / τ-distance |
Outline of Annual Research Achievements |
この助成金のおかげで、当該年度だけで13編の査読付き学術論文を発表することができた。以下では、項目10の雑誌論文リストで挙げた論文のうち、いくつかの論文の概要について述べる。 4: 1974年に証明された Ciric の不動点定理を拡張した。距離関数で比較せず、間にある条件を満たす関数を挟むことで、一般化した。この手法により、今後さらに研究が発展する余地があるので、是非進めたい。 10: Branciari によって2000年に導入された ν-generalized metric space という概念は距離空間の概念を拡張した非常に面白い概念である。3-generalized metric space だけが compatible な位相を持つことは既に証明されていた。本論文はその後続研究であり、すべての ν-generalized metric space が点列的に compatible な位相な持つことを証明した。「点列的に compatible な位相」というのは「compatible な位相」よりも弱い条件である。つまり、強い方の条件を満たす位相は常に存在するとは限らないが、弱い方の条件を満たす位相は常に存在することが分かった。また、点列的に compatible な位相の中で最強な位相が存在することも同時に証明された。 11: 完備距離空間への不動点定理における縮小写像の条件に関しては、様々なものが提案されてきた。Browder, Matkowski, Boyd-Wong, Meir-Keeler, Ciric-Jachymski-Matkowski 等々。これらの条件の記述は多様であり、比較が非常に難しかった。本論文では、2次元の収束点列を用いて、上記5条件を一つの統一された方法で記述することに成功した。また、上記5条件に加え、新たに7条件(合計12条件)を統一された方法で記述することができている。今後の完備距離空間における不動点理論を整理する際に非常に有効であり、不動点定理の十分条件の限界に関しても非常に見通しの良い方法を提供することになるであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題がスタートして2年経過した所であるが、発表論文(査読付き)が18編ある。
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Strategy for Future Research Activity |
新しいタイプの非線形写像に関する研究が最近非常に積極的になされている。この最近のトレンドに対する本質的な貢献をしたいと考えている。また、ν-generalized metric space に関する研究が一区切りついたので、さらに弱い条件の空間に関する理論展開を進めたいと考えている。これらを含め、解かなければならない問題が山積しており、積極的に研究に取り組んでいきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究が順調に進んだ為、予定よりも物品等の購入せずに済んだことが主な理由である。
研究成果をより多くの人に読んでもらうために、オープンアクセスの雑誌への論文の投稿数を増やすことを考えている。また、共同研究のための出張旅費、および講演のための出張旅費などに積極的に活用する。関連図書の購入、数値実験用のパソコンの購入等、必要に応じて、研究に必要な物品を購入する予定である。
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