2016 Fiscal Year Research-status Report
フーリエ解析学の新展開-関数空間の分割理論の深化と応用
Project/Area Number |
16K05209
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
澤野 嘉宏 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (40532635)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 仁 筑波技術大学, 学内共同利用施設等, 講師 (70422392)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 複素補間 / モレー空間 / 積分不等式 |
Outline of Annual Research Achievements |
モレー空間における複素補間理論をはじめ関数空間の研究を全般的に行った。モレー空間における複素補間理論は従来の結果に間違えがあるのではないかとの意見が2014年以降されてきた。その指摘に基づきモレー空間における複素補間理論を再検証したところ、部分空間に関して種々の面白い性質が見つかった。とくに、その中でもチルダ部分空間、スター部分空間、ダイヤモンド部分空間についての補間の結果をまとめた。ダイヤモンド部分空間は偏微分方程式の初期値問題と関連があることを指摘した。これらはすべて論文として提出し、その半分は出版済みで残りの半分は査読中である。関連する空間としてグランドルベーグ空間についても同じような考察を行い、我々が得た複素補間に関する性質を再検証した。さらに、これはトリーベル・リゾルキン・モレー空間においても同じ手法が使えることを実証した。これに関しては論文にまとめている最中で、早急に論文を提出する予定である。
また、実補間のアウトプットとして得られるローレンツ空間を用いた畳み込み積などの基本的な不等式の研究をし、それを積分作用素に応用した。その結果、ストリカーツ評価を得ることができた。これは主にハーディー・リトルウッド・ソボレフの不等式として知られている不等式の精密化に相当する。背景にある不等式はブラスカンプ・リーブの不等式と言われている種々の不等式を包含する大きな概念である。得られた結果が低次元では最良であることを示すために、ガウシアンや掛谷集合を使った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
積分不等式についてはローレンツ空間の複雑さからさらなる考察が必要であるが、モレー空間の補間理論は総じて順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
ガウシアンの性質を再考することにより、得られた不等式の精密さを再検証する。
|
Causes of Carryover |
インフルエンザにより、予定していた研究集会への参加ができなくなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
日本国内の国際研究集会Harmonic analysis and applications at Tokyoに参加予定。
|
Research Products
(4 results)