2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K05215
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤堀 次郎 立命館大学, 理工学部, 教授 (50309100)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 無限次元解析 / 確率微分方程式 / 誤差のないシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究を進めると共に今までの成果の宣伝を行った。最初にparametrix方法を利用し、拡散過程の分布をシミュレーションする方法を提案した。さらにその方法を改善し、他の問題に応用できるようになりました。たとえば数理ファイナンスの設定で赤堀氏が金融商品のリスクを解消する方法を提案した。また他の研究者がMcKean-Vlasov問題や非線型偏微分方程式に適応することを目的とされている。また、現在は博士課程の湯浅氏が反射付き確率微分方程式のシミュレーションについて研究を行っている。この意味では研究活動が広まる可能性が出て来た。 これから理論的な面で展開を望んでいる。その中の一つの例として無限次元部分積分公式がある。この公式が応用の面に置いては非常に重要なものである。その準備で結城氏との共同研究では解析方法を利用し滑らかでない係数の拡散過程の分布について議論を行った。今まではMalliavin解析と呼ばれる方法を使うことが通用であった。ただし、微分の概念が一次元解析と似ていることもあるので確率過程がなめらかではないと微分不可能になる。その結果に基いて多くの研究者が微分積分公式の構築できないという意見をよく聞く。 特別な例に関して測度変換方法を利用し、Bismut氏やCattiaux氏が結果を得られている。 この設定では我々ができるだけ一般理論を構築することを目指している。このためマルコフ連鎖を利用し、parametrix方法を確率論の道具で無限次元部分積分公式を紹介しようとしている。 応用な面では滑らかでない係数の拡散過程のパラメタ推定について研究を行った。現在、この結果をまとめている方向に進んでいる。この問題に関して最初に連続確率微分方程式の推密度関数の展開理論を行ってから推定の問題に展開する予定。また、ジャンプ型確率微分方程式についても行う予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
最初に2018年の結果に基づいて一般論の構築について検討し始める。必要であれば反射付き確率微分方程式の部分積分公式について具体的な計算を行う。この問題ではジャンプ型過程が現れることが想定される。なぜならば反射付き確率微分方程式の境界に到着時刻の集合が安定過程と深く関係しているからである。この結果を得られたら、次に、シミュレーションも行う。特に具体的な応用例について考える。 同時にジャンプ型確率過程の汎関数について検討する。たとえば、Levy過程の最大についてWiener-Hopf分解という定理では特性関数の表現があるがシミュレーションを使うためにモンテカルロシミュレーションの立場から見ると難しい要素もある。たとえばシミュレーション可能な部分積分公式が得られない。この問題について検討する。 金融モデルに関係する問題としてSABRモデルなどについて検討をし始める。このモデルが数理ファイナンスではよく使われているが密度関数の存在とその性質はあまり知られていない。今年はこの問題について検討する。去年展開された無限次元解析を利用する。ただし、この問題が境界問題と異なるため似たような技術について少し考え直す必要がある。また、ジャンプ型のSABRのような金利モデルが最近提案されているため、この解析を行うことが重要である。 parametrix方法が近似論の中の一つの技術であるので他の近似論を利用できるのかについて検討する。たとえばAsmussen-Rosinki近似方法をジャンプ型確率微分方程式に利用し、密度関数について結果が得られるかについて検討する。この問題は今まではジャンプ型Malliavin解析と呼ばれる方法が利用されていた。ただし、この方法は滑らかでない係数の場合には利用できないため別の近似方法に基づいた無限次元解析の構築について検討したい。
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Causes of Carryover |
今年が研究計画の最後の年なのでできるだけいろんな研究会で発表を行い、広告をする。このため去年はできるだけ節約し、結果を得られることを目的にした。
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Research Products
(11 results)