Outline of Annual Research Achievements |
2階常微分方程式の Moore-Nehari 微分方程式について研究した. この微分方程式の区間(-1,1)における2点境界値問題を研究した.この微分方程式は, 非線形項の係数関数が, 不連続な偶関数となっている. この方程式は, (0,1)区間を動くパラメーター λ を持っている. 非線形項のべきが, 1より小さい正の数のときに, この方程式について研究した. 偶関数解と奇関数解を総称して, 対称解と呼ぶ. 非負整数 n に対して, Moore-Nehari 微分方程式の解が区間(-1,1)において, ちょうどn個の零点を持つときに, n-nodal 解と呼ぶ. この研究において, 任意の非負整数 n に対して, u'(-1)>0 を満たすn-nodal な対称解の存在と一意性を証明した. 非負整数 m,nに対して, Moore-Nehari 微分方程式の解が区間(-1,0)にちょうどm 個の零点をもち, なおかつ区間(0,1)にちょうどn 個の零点を持つときに(m,n)解と呼ぶ. この研究において, 任意の非負整数 m,nに対して, λが十分1に近いときに, (m,n)解が存在することを証明した. 従来では, n-nodal解の存在に関する研究がほとんどであり, (m,n)解に関する研究はなかった. 従って, 本研究は, 解についての詳細な性質を調べている. さらに, (m,m)解は, 対称解になることを証明した. 上に述べたように, Moore-Nehari方程式の n-nodal 対称解で u'(-1)>0を満たすものは, 各λ に対して一意であり, これを u(x,λ)と表すときに, これはλの連続曲線になる. 次のことを証明した. n が偶数のとき, この曲線は分岐しない. n が奇数のとき, ただ一つの λの値で分岐が起きる.
|