2019 Fiscal Year Research-status Report
ヘルムホルツ方程式の解の評価と対応する非定常問題の解の平滑化評価に関する研究
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16K05243
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
中澤 秀夫 日本医科大学, 医学部, 教授 (80383371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 光輝 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (70300548)
望月 清 首都大学東京, 理学研究科, 客員教授 (80026773)
渡辺 一雄 学習院大学, 理学部, 講師 (90260851)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | スペクトル解析 / 波動方程式 / ヘルムホルツ方程式 / 非自己共役作用素 / 解の挙動 / 一様リゾルベント評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度迄は、摩擦項を伴う波動方程式の定常問題であるエネルギー依存ポテンシャル項を伴うヘルムホルツ方程式の解の一様リゾルベント評価の研究を行ってきた。特に昨年、ポテンシャル関数(摩擦項の係数関数)の小ささの仮定を外した形での評価式の導出を目指し、スペクトルパラメータが複素上半平面を動くという制限付きながら目的を達成することができた。この成果は2019年7月末から8月第1週にかけてポルトガルのアヴェイロで行われた国際研究集会「ISAAC2019」にて発表を行った。またその内容を纏めた論文は同研究集会の報告集に投稿中である。この結果によって、1966年にMizohata-Mochizuki(J. Math. Kyoto. Univ.)が得た結果の空間多次元(3次元以上)及び全空間だけでなく0-Derichlet境界条件を課した(原点に関して星形の)外部領域に対する拡張も可能となった。 本年度はこの結果をさらに吟味・拡張し、スペクトルパラメータが複素下半平面を動く場合の結果を考察する。また2次元外部領域の場合の考察も行い、更なる結果の精密化を目指したい。 更に本研究によって得られた研究成果は定常シュレーディンガー方程式のスペクトル解析に対しても有効であることが予想され,ポテンシャル関数の小ささを仮定することなく一様リゾルベント評価式を導くことも併せて研究していく。 更に可能ならば、対応する非定常問題の解の性質(平滑化評価式)や散乱問題への応用も考察していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究結果に関しては完全解決とはいかないまでも目標を達成できている。なお年度末にかけて予定していた研究集会が、COVIT-19の感染流行により中止や延期となったことで科研費の延長を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究を更に精密化し進展させていく。具体的には、スペクトルパラメータが複素上半平面だけでなく複素下半平面の場合のヘルムホルツ方程式の解の満たす一様リゾルベント評価式を、摂動項の小ささの仮定を外した形で導出できるか、更には、空間次元が2次元の場合の外部領域に対しても同様の評価式を得ることが可能かに関して、研究を行っていく。
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Causes of Carryover |
年度末になって参加を予定していた研究集会が、COVIT-19の流行により中止となったことで、必要な研究打ち合わせその他の計画を見直さざるを得なくなった。 残った助成金で、更なる研究の進展を目指すべく、国内の研究集会に出席し、関連研究者たちとの質疑応答や情報取集を行っていく。
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Research Products
(2 results)