2022 Fiscal Year Annual Research Report
A study on an estimate of solutions of Helmholtz equation and the smoothing effect of solutions of corresponding time-dependent problems
Project/Area Number |
16K05243
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
中澤 秀夫 日本医科大学, 医学部, 教授 (80383371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 光輝 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (70300548)
望月 清 東京都立大学, 理学研究科, 客員教授 (80026773)
渡辺 一雄 学習院大学, 理学部, 講師 (90260851)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 波動方程式 / 摩擦項 / ヘルムホルツ方程式 / リゾルベント評価 / 一様リゾルベント評価 / 非自己共役作用素 / 消散作用素 / 極限振幅の原理 |
Outline of Annual Research Achievements |
摩擦項を伴う波動方程式の定常問題であるエネルギー依存ポテンシャル項を伴うヘルムホルツ方程式の解の評価を研究した。特に,散乱問題への応用において非常に重要となる定常問題の解に対する通常の不等式であるリゾルベント評価と,更に精密な不等式である一様リゾルベント評価の導出を、主に,摩擦項の係数関数に対する条件を緩和することを目的として考察し,実際に満足する形でその課題を成し遂げることが出来た。次に、それら2つの評価式の応用として,時間依存問題(もともとの摩擦項を伴う波動方程式)に対する解の挙動の研究として,Mizohata-Mochizuki(1966)による極限振幅の原理の結果の改良を目的とし,これも成し遂げることが出来た。 以下,空間変数をx,時間変数をt,r=|x|と表す。通常のポテンシャル項と摩擦項を伴う波動方程式 w_{tt}-△w+b(x)w_t+c(x)w=f(x)e^{-iωt} (但し ω≠0) の定常問題であるヘルムホルツ方程式に対して,ポテンシャル関数c(x)(実数値関数)がc(x)=c_1(x)+c_2(x)と分解でき,c_1(x)はL^{∞}ノルムが小さく空間遠方でr^{-2}よりも早く減衰し,c_2(x)は0以上であるものの空間遠方でr^{-1}よりも早く減衰するとする。また摩擦項の係数関数b(x)は非負で空間遠方でr^{-5/2}よりも早く減衰するものとする。このとき上の波動方程式の外部境界値問題(空間領域は3次元以上の全空間,或いは,原点を含まない2次元以上の星状な障害物の外部領域)に対して,極限振幅の原理が成り立つ,即ち,「上の波動方程式の解w(x,t)が時刻正の無限大である位相で (定常問題の解)×e^{-iωt} に収束する」ことが証明できた。この結果は既に専門誌に投稿し,掲載が決定している。
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Research Products
(4 results)