2021 Fiscal Year Annual Research Report
Symmetry and deformation of spherical tiling
Project/Area Number |
16K05247
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤間 陽二 東北大学, 理学研究科, 准教授 (30272454)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 離散曲率 / 球面タイリング / コーシーの腕補題 |
Outline of Annual Research Achievements |
双曲的正多角形に等長な面を持つ双曲的多面体的曲面で、各点での角度の総和が少なくとも2πであるものを研究した。これらの曲面の組み合わせ論的情報はユークリッド的多面体曲面で負の組合せ曲率を持つものと同一であることを示した。種数が2の場合、滑らかでない双曲多面体曲面の面積と、滑らかな双曲多面体曲面の面積の間にギャップがあることを証明した。そのギャップに関する数値的な結果は、ダブルトーラスと同相な双曲的多面体的曲面で1-スケルトンが立方体グラフであるものから得られた。種数2の滑らかな双曲多面体曲面の例として、(2,3,8)-三角群の部分群として定義されるBolza面の、双曲的正16角形、双曲的正6角形、、双曲的正4角形によるタイリングがある。種数2の滑らかでない双曲多面体曲面の例を求めるために、プログラムを作成し、Bolza面のDelaunay3角形分割で、対応するVoronoi分割の1-skeltonの組み合わせ曲率が負であるものを探索した。また、双曲的正多角形に等長な面を持つ双曲的多面体的曲面において、頂点に集まる面の次数列が(f1,f2,f3)である場合、その頂点での不足角が0になる臨界的辺長aを解析的に与えた。liをcos(π/fi) (i=1,2,3)とすると, 辺長がl1,l2,l3のユークリッド直方体の体積の半分を、辺長がliのユークリッド三角形のの面積で割ったものが、cosh(a/2)になる。 これらと組み合わせ曲率の性質を用いて、平均値の定理などを用いて、種数が2の場合、滑らかでない双曲多面体曲面の面積と、滑らかな双曲多面体曲面の面積の間のギャップを評価するプログラムを作成した。これは、復旦大学のBobo HUA教授との共同研究である。一方で、球面タイリングの分類において、Cauchyの腕補題のある意味での拡張である補題により議論を簡明にした。これらの結果を論文としてまとめ、投稿中である。
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