2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K05248
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
加納 幹雄 茨城大学, 工学部, 名誉教授 (20099823)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 平面上の離散幾何 / 赤点と青点 / 3色点集合 / グラフの全域木 / グラフの因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
平面上に与えられた赤点の集合Rと青点の集合Bと緑点の集合Gに対して、これらを結ぶ幾何的な無交差な位数nの交互道Pnによる被覆問題を研究した。これはRとBの2色点の場合に著者たちが解決した研究を、3色点に拡張するものである。2色から3色へと条件が弱くなり、存在しやすいことが予想されるが、証明は難かしくなっている。位数2の道による被覆は、3色点集合上の無交差な完全マッチングの存在問題であり、著者たちにより解決されており、本研究課題の出発点の一つである。新しい問題である位数3の道P3による被覆問題は、2色点の分解定理を巧妙に用いることで解決できた。一般の場合には、偶数位数の道の被覆問題は難しく、奇数位数の道による被覆が解ける可能性が高いことがわかった。特に、位数5の道P5による被覆問題は部分的に解決しており、進展している。これは凸集合への分解が奇数位数の場合が得やすいためである。また未解決の場合には、新しい問題である3色点のある種の平衡分割問題を解く必要があると思われる。これはそれ自身興味ある問題でもある。 2色の点集合RとBに対して、単色の凸3角形があるための条件を中心に研究を進めた。現在部分的な結果を得ているが、解決には至っていない。 その他、関連するグラフ理論において全域木と因子に関する研究を行った。木から距離がm以下の点はその木でm-支配されていると言われるが、m-支配をする最大次数kの全域木が存在するための十分条件を、互いの距離が2(m+1)以上である点の最大個数条件を用いて与えた。これは既知の多くの定理を系として含んでいる。また、直径がd以下の全域木が存在するための最小次数条件などについて研究した。グラフの因子についても論文を出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3色点集合の分解に関連する新しい定理とか手法が必要になるが、この定理については定式化した予想ができており、かつP5の被覆問題に関連する場合はほぼ解決された。この問題につい新しい手法を見つけた。また、必要な定理の予想などもできており、これを今後さらに進め行くことになる。 また、関連するグラフ理論についてもいくつかの新しい結果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今取り組んでいる平面上の3色点集合を交互道で被覆する問題の研究をさらに進めるとともに、3次元空間における分解問題についても新しい手法を見つける研究を進める。3色点集合のP5による被覆問題に関連して、3色点のある種の平衡分割問題が重要であることがわかってきた。そしてP5に対応するものについては連続の場合に証明ができたようである。離散の場合に拡張できれば、P5の被覆問題はほぼ解決できる。一般の位数nの道Pnによる被覆問題の場合にも対応するある種の平衡分割問題が重要となる。これらは他の研究問題にも関係すろと思われる。特別な場合に問題を制限して研究をすすめたり、具体的な例で詳しく調べたりして研究を進めてゆく。また、世界的にこの分野に詳しい研究者との議論や交流を継続したい。 グラフ理論とグラフの平面上への幾何的な埋め込み問題は関係が深い。関連するグラフの問題についても平行して研究をしたい。
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Research Products
(15 results)