2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K05263
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷口 哲至 広島工業大学, 工学部, 准教授 (90543728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗政 昭弘 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50219862)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 代数的グラフ理論 / スペクトラルグラフ理論 / 代数的組合せ論 / 固有値 / 整格子 / グラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)一般BetheTreeの構造、 (2)ホフマングラフの他分野への応用、 (3)隣接最小固有値(以降、最小固有値)によるクラスタリング、 (4)ホフマングラフの3-格子への応用 30年度は前年に引き続き上記(1)-(4)を進めた。(1)について、研究協力者の瀬川氏、吉江氏、久保田氏(三名とも東北大)らと、計算機実験で得られた結果が正しいのか研究を進めてきた。昨年度、一般ベーテ木のグローバーウォークの周期性についてまとめ投稿していた論文がlinear algebra and its applicationsに掲載された。(2)について、瀬川氏とライングラフの一般形というホフマングラフの性質を活かした研究を行ってきた中で、有向グラフへのホフマングラフの一般化を考えた。この先行研究はGuo氏、Godsil氏に依るものであったが、グラフ同型判定の固有値による判定の精度をさらに高めることに成功した。2019年7月までには投稿したい。また、吉野氏(東北大)、久保田氏と、最小固有値が-1-√2以上であるグラフのクラスの禁止グラフを決定し、ARS MATHEMATICA CONTEMPORANEAに投稿していた論文がアクセプトされた。(3)については、見村氏(東北大)、楠木氏(大阪大)と研究を進めている。(4)について、昨年以上に目立った進展がみられた。ホフマングラフのfat頂点と辺(符号化)についての一般化を行うことで、一般的な整格子との対応をつけることに成功した。整格子のingerabilityについて説明することができ、かなり大きな進展である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
並行する研究の多くの進捗が順調である。また、昨年から続けてきた研究二つ「概要(1),(2)」について掲載決定している。概要(3)については、まだ解決には至っていないが、計算機実験により、ホフマングラフのカバーによって上手くクラスタリングができていることが予想できた。概要(4)については、3-格子の分類で重要なのはルート格子で登場する例外型の様な格子の分類である。ホフマングラフで表される部分は、多くの3-格子をカバーする。現在は、ホフマングラフの一般化を考えることで,例外型に対応する3-格子の特徴付け作業をすすめている。この発見は3-格子に限らず、一般の整格子の特徴付けに大きな進展をもたらした。
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Strategy for Future Research Activity |
概要(2)についてはこれまで通り、制御理論の一分野であるマルチエージェント・システムについて、応用するための基礎理論を構築する。その際に必要となる作業はラプラシアン行列の一般化である。従来の一般化について、再生核ヒルベルト空間論を経由した議論で進めてきたが、これに組合せリッチフローや量子ウォークでの遷移行列を利用して進めたい。また、任意の最小固有値に関する或るグラフのクラスの禁止グラフについても吉野氏(東北大)、古谷氏(北里大)と共同研究を進める。概要(3)については、方針も見えてきたことから今年度見村氏(東北大)と積極的な議論に入って行きたい。概要(4)については、ホフマングラフの一般化を用いて、例外型3-格子の分類問題に取り組みたい。この部分についての進捗は極めて良い。
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