2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of multi-scale mathematical models with inter-hierarchical feedback effects and their applications for disease
Project/Area Number |
16K05265
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中岡 慎治 北海道大学, 先端生命科学研究院, 特任講師 (30512040)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | モデル化 / 数理工学 / 数学基礎論 / 免疫学 / 再生医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
数ある疾患の中には、分子 (速いダイナミクス) と組織 (遅いダイナミクス) 間に階層フィードバックが存在し、悪循環によって発症するものがある。本研究では、階層フィードバックを考慮した疾患のマルチスケールダイナミクスの研究を進めている。
前年度から継続する形で、今年度には階層フィードバックを考慮した疾患のマルチスケールダイナミクスを表現する数理モデルに対して、復数の解析を実施した (以下、列挙)。
C 型肝炎ウイルス感染を記述したマルチスケール数理モデルを構築し、データ解析でも利用しやすい形式へと変換が可能である数学的根拠を示した (成果・論文 1,3)。大腸菌とその捕食者である原生生物 (Tetrahymena) の被食者捕食者系に対して、時間遅れの影響によって複雑な挙動が出現し得る可能性を分岐解析や数値シミュレーションによって示した (成果・論文 2、責任著者)。蚊などによって媒介されるマラリアなどの感染症伝播を記述したマルチスケール数理モデル (蚊のライフサイクル:速いダイナミクス、ヒトのライフサイクル:遅いダイナミクス) に対して、感染が起こってから最終的に観測される感染者数を見積もる最終規模方程式を導出し、その数学的性質を詳しく調べた (成果・論文 4、責任著者)。蚊によって媒介されるデングウイルス感染症に対して、体内におけるウイルスや細胞増殖動態 (遅いダイナミクス) と免疫細胞が分泌する生理活性物質による感染細胞除去 (速いダイナミクス) を考慮したマルチスケール数理モデルに対して、異なるデングウイルス株による二次感染に起因する重症化が生じるダイナミクスについて解析・数値シミュレーションを実施した (成果・論文 5)。また、微生物群集のダイナミクスの解析に用いる数理手法について解説記事をまとめた (成果・論文 6)。
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Research Products
(10 results)