2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K05312
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥田 拓也 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (90595646)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 素粒子論 / 数理物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度の研究では引き続き、超対称な場の理論について複数の研究プロジェクトを進展させた。 ヤヌス・インターフェースと呼ばれる、結合定数の変化によって特徴付けられる余次元1の物体を2次元と4次元で調べた。2次元では、N=(2,2)超対称なゲージ理論でのヤヌス・インターフェースのエントロピーがカラビのdiastasisと呼ばれるモ ジュライ空間上の関数で与えられることを前年度までに局所化計算で確認していた。今年度はさらに、球面上に置いたヤヌス・インターフェースの期待値が、Gromov-Witten 不変量と呼ばれる Calabi-Yau 多様体に付随する重要な数の生成関数を与えることを発見し、これらの成果を論文にまとめた。4次元では、N=2超対称な場の理論においてヤヌス・インターフェースのエントロピーが2次元と同様にカラビの diastasis で与えられるという予想を立て、笠・高柳公式によるホログラフィックな計算結果に基づく証拠を与えて論文を執筆した。この予想をレプリカ法により一般的に証明し、超対称局所化による具体的に確認する研究を進めつつある。 7年ほど前に自分たちが定式化した、't Hooft line 演算子に関わる Z_mono というインスタントン分配関数のモノポール版が注目を集めている。4次元において、Z_mono を超対称量子力学を用いて計算し、その壁越え現象と演算子の積の順序の対応を発見した。またブレーンの配位による説明を与えた。また、Z_mono の3次元理論版を導入し、超対称局所化による計算を行なった。これらの成果について論文執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
4次元でのインターフェイス・エントロピーとカラビの diastasis の関係や、't Hooft line 演算子の積の順序と超対称量子力学の壁越え現象の対応を発見するなど、予期しなかった進展があるから。
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Strategy for Future Research Activity |
4次元理論のヤヌス・インターフェイスのエントロピーとカラビの diastasis の関係を、レプリカ法で証明し超対称局所化で確認する。 't Hooft line 演算子など line 演算子の定量的な理解を、U(N)、SU(N)、SO(N)、Sp(N)などのゲージ群について、ブレーンや超対称局所化を用いて進めていく。
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Research Products
(6 results)