2020 Fiscal Year Annual Research Report
Extension of soliton theory to noncommutative spaces and higher-dimension with application to string theory and integrable systems
Project/Area Number |
16K05318
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
濱中 真志 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 講師 (70377977)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ソリトン / ドメインウォール / ダルブー変換 / ロンスキアン解 / 反自己双対ヤン・ミルズ方程式 / 可積分系 / 非可換幾何学 / 佐藤理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き, 主に大学院生の黄山齊(Shan-Chi Huang)氏と共同で反自己双対Yang-Mills方程式のソリトン解の研究を推し進めた. まず昨年度構成したG=SL(2)ソリトン解の成果を二篇の論文として公表した. (4次元空間内で3次元平面上に局在したソリトンであり, ここでは「ソリトン・ウォール」と呼ぶ.) また新しい成果として, 多重ソリトンの漸近的振る舞いが(通常のソリトン同様) 1ソリトンの「重ね合わせ」となることを示した. 3種の計量(Euclidean, Minkowski, Ultrahyperbolic)で作用密度が実数となる条件を求め, 位相のずれも定量的に与えた. 今回は非可換空間ではなく可換空間での議論であるが, Quasideterminantをいたるところで駆使したことで非自明な結果に到達できた. (2x2行列を1つの行列要素として表し非可換な公式を駆使した. この式変形を通常の可換な行列式で取り扱うのは見通しが悪く不可能に近い.) さらにUltrahyperbolic計量の場合には全領域でゲージ場が反エルミートになりうる(ゲージ群がG=U(2)となりうる)ことを証明した. したがってN=2弦理論の枠組みでまるごと実現する配位であり, 交差したソリトン・ウォールやソリトン・ウォールの再結合などが厳密解から予言されていて大変興味深い(まもなく公表予定). 多重ソリトン解はロンスキアンで記述され、タウ関数の記述ならびに佐藤理論の高次元化の可能性を秘めている. 他の計量の場合については(自己双対性をはずした)古典解としてのG=U(2)ソリトン解を模索している. 一連の成果に関して国内外の研究会・セミナーで積極的に発表し, 幅広い分野の専門家と質疑応答を行った.
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Research Products
(10 results)