2019 Fiscal Year Annual Research Report
A huge dielectric response by self-assembled 90-degree stripe-shaped polarization domain
Project/Area Number |
16K05395
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
並河 一道 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (10090515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和田 謙二 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 放射光科学研究センター, グループリーダー(定常) (60343935)
石野 雅彦 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 光量子科学研究部, 主幹研究員(定常) (80360410)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リラクサー強誘電体 / 分極ドメイン / 中間階層 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
リラクサー強誘電体PMN-x%PTではTi濃度を変化させたとき28%PT付近に誘電率の突出したピークの現れることが報告されていた。PMN-x%PTのメゾスコピックな分極構造については、軟X線パルスレーザーを用いて組成相境界近傍の26.6%PT, 27.8%PT, および28.3%PT結晶についてスペックル像を調べて分極ドメインの観察を行った。27.8%PT試料では、熱平衡をたもちながら試料の温度を低下させると、相転移温度より数度低温から斜め90度ストライプドメインが成長し誘電率の異常な増大をもたらすことが確認でき論文を発表した。 素粒子から宇宙に至る自然の階層性はよく知られた概念で、各階層には階層固有の法則があり、巨視的物体の性質は単純に原子の性質には還元できないし、原子の性質が分かってもいつでも巨視的物体の物体の性質が分かるわけではない。それぞれの物質にはその物質固有の中間階層があって、中間階層の性質によって巨視的物体の性質が初めて説明される場合もある。自然の階層性を明確にすることは物理教育の対象と考えられる。強誘電体の分極には単位格子の分極から分極ドメインのを経て巨視的な誘電体の分極に及ぶ階層構造があって、PMN-27.8%PTの斜め90度ストライプドメインは分極の中間階層とみなせることを議論し物理学会に報告した。 PMN-27.8%PTにおける斜め90度ストライプドメインは相転移とともに発現するが、相転移直下の分極のゆらぎは大きくそれぞれの分極は乱雑に分布している。しかしながら、試料の温度を熱平衡を保ちながら低下すると、それぞれの分極は規則的に配列した一つのa-cドメインに同化し、エントロピーを放出しながら、ドメインの配列周期が短くなっていくことが明らかになった。この成果は国際会議の招待講演で発表することになっている。
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Research Products
(3 results)