2018 Fiscal Year Annual Research Report
Ultrafast control of polarization by terahertz pulse excitation in electric ferroelectrics and quantum paraelectrics
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16K05402
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| Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
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Principal Investigator |
高橋 聡 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80212009)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 電子型強誘電体 / 電荷秩序状態 / 光誘起相転移 / 高速分極反転 / 動的局在 / テラヘルツ波パルス |
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| Outline of Annual Research Achievements |
電子運動の時間スケールよりも励起光の周期がはるかに短い場合には、電子は振動する電磁場の時間平均のみを感じることになる。電子が感じる有効遷移積分の絶対値（遷移積分は電子が異なるサイトに飛び移る確率）は、光の強度が強い場合には、はもとの遷移積分のそれにくらべ大きく減少する。電荷移動錯体κ-(BEDT-TTF)2Xの金属相を光強励起することにより、ホールの局在化（動的局在）が起き、電荷秩序状態への光誘起相転移が起きることを示した。さらに,動的局在を起こすための高エネルギー側に非共鳴な高強度光パルスと、一方の分極を持つ状態のみを作り出すためのTHz波パルスを照射した場合のダイナミックスを理論的に研究し、光パルス＋THz波パルスを二回照射し、さらに一回目と二回目のTHz波パルスの電場の向きを逆にすることにより、電子分極の超高速（100fs以内）反転を示すことに成功した。
電子型強誘電体TTF-CAをTHz波短パルスで励起した場合のダイナミックスを、格子の運動も取り入れて、理論的に研究した。相境界付近では、THz波短パルス励起により格子オーダーパラメーター（その絶対値はボンド長交替の大きさ、符号は交替の位相を表す）の大振幅振動が誘起される。この振動の結果、中性－イオン性相転移が誘起されること、さらにイオン性相の分極の反転が引き起こされことがわかった。
TTF-CAの熱平衡状態を、格子を量子的に扱い、量子モンテカルロ法により研究した。高温高圧領域では、実験で見いだされたイオン性常誘電相が存在することを確認することができた。この相の安定化にソリトン対の格子の揺らぎが重要な寄与をしていることも分かった。
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