2018 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of Quantum Measurement Theory through Quantum Tunneling
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16K05492
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鹿野 豊 慶應義塾大学, 理工学研究科(矢上), 特任准教授 (80634691)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 量子測定 / 量子トンネル効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画において、励起子・ポラリトン凝縮体において、量子コヒーレンスの対応関係を理論的に調べ、量子トンネル効果中の測定理論の実証を行う予定ではあったが、励起子・ポラリトン凝縮体が非平衡凝縮体であるが故の影響により、量子コヒーレンスと直接対応づけることが難しいことが分かった。しかし、この検討結果は他の準粒子物理系における議論のもととなり、マグノン系における理論の発展へと寄与することが出来た。 また、量子トンネル効果を用いた測定理論に関して、本研究提案のもととなった論文[A. Noguchi, Y. Shikano, K. Toyoda, and S. Urabe, Nature Communications 5, 3868 (2014)]を拡張し、トンネル効果を直接測定することはなかったが、この系でしか捉えられない量子基礎理論の拡張に関して理論的な提案をすることが出来た。この点に関しては、3月にボストンで行われたアメリカ物理学会で発表し、今後、具体的な物理系を検討し、実験家と一緒に議論することとなった。 弱測定理論と量子トンネル効果に関する議論に関しても、その提案者であるアハロノフ博士と議論することとなり、2次元のシンプルな量子系において量子トンネル効果中の測定理論においてゲージに対して不思議な性質があるということを解き明かすことが出来た。しかし、この理論を完全に議論しきっている訳ではないので、更なる議論が必要であることが分かった。
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Research Products
(15 results)