2018 Fiscal Year Annual Research Report
Time domain photoelectron spectroscopy of gas-phase molecules
Project/Area Number |
16K05496
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
峰本 紳一郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (90323493)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 時間分解光電子分光 / 光電子回折 / X線自由電子レーザー / 配列分子 / 超高速光化学反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度2月にSACLAにおいて7シフトのビームタイム実験を行った。本年度はこのビームタイム中に得られた2つの結果の解析に多くの時間を割いた。 一つはヘリウムHe原子の多光子イオン化過程の観測である。光子エネルギー40.8 eVのFELを用いてHe原子から生成される光電子を測定したところ、2光子を同時に吸収しHe2+を生成するチャンネル(2PDI)と1光子吸収でHe+を生成した後、2p状態を経てHe2+を生成するチャンネル(S3PDI)があることを見出した。特に、S3PDIチャンネルの光電子生成には3光子が必要であるにもかかわらず、S3PDIの信号強度はFEL強度の2乗に比例した依存性を示す。これはHe+の1s状態と2p状態がラビ共鳴を起しており、この励起に必要な光子が強度依存性に反映されていないためであると考えられる。 また、超短パルスレーザーによりCO2分子を非断熱的に配列させ、FELパルスによって生成される光電子の角度分解スペクトルを測定した。ここで、ショットごとにフラグメントイオンの画像から配列状態を評価し、光電子スペクトルの並べ替えを行った。その結果、分子軸の向きとFELパルスの偏光方向を固定した光電子角度分布を得ることに成功した。光吸収後の電子ダイナミクスを考慮した理論シミュレーションと比較したところ、実験で得たMF-PADと理論的なMF-PADはよい一致を示しており、本手法の妥当性を確認できた。 上記の解析と並行して、本年度6月および2月にSACLAでビームタイム実験を行った。特に2月の実験では、様々な条件下で分子配列の度合を調べ、FELと光学レーザーとでレイリー長が異なることが配列度を下げる要因となることを明らかにした。また、代表的な有機金属化合物であるフェロセン分子では、Fe 3p光電子が5員環の励起状態と強くカップルすることを示唆する結果を得た。
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[Presentation] Two-color above threshold ionization of atoms by using femtosecond XUV free electron laser and NIR laser pulses2018
Author(s)
Shinichirou Minemoto, Hiroyuki Shimada, Kazma Komatsu, Wataru Komatsubara, Takuya Majima, Tomoya Mizuno, Shigeki Owada, Hirofumi Sakai, Tadashi Togashi, Shintaro Yoshida, Makina Yabashi, and Akira Yagishita,
Organizer
XXI International Conference on Ultrafast Phenomena
Int'l Joint Research
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