2016 Fiscal Year Research-status Report
超臨界アルコールのラマン散乱:分子間ダイナミクスの古典性と量子性
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16K05508
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
天羽 優子 山形大学, 理学部, 准教授 (20363038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 恭男 山形大学, 理学部, 教授 (60202024)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | 低振動数ラマン散乱 / 緩和モード / 量子準位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、低振動数ラマン散乱スペクトルの最低振動数モードの性質を、起源となっている分子運動に量子準位があるかどうかと関連づけて理解することを目的とする。まずはアルコール類を測定例とし、温度・圧力を変化させてラマンスペクトルを測定し、温度・圧力に依存して振動数シフトを起こしているのが最低振動数モードのみであることを確認する。 研究費の申請が認められたのが10月であったため、申請書の実験計画は、本年度は、装置の整備にとどまった。そのかわり、超臨界アルコールのスペクトルの比較対象として、エチレングリコール系・アセトン混合系の低振動数ラマン散乱と、エチレングリコール系の低振動数ラマン散乱の温度依存性の測定を行った。今後、学会等で報告し、論文にまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年4月から実施する計画で申請したが、4月時点では交付が認められず、2016年10月になって追加で交付が認められることになったため、当初の計画より、現状では半年遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
超臨界状態の測定をするための加圧ポンプと、ラマン散乱の光源とするための固体レーザーを本研究費で購入し、ポンプについては設置済みで、現在、加圧セルを含めて測定の準備をしている。このまま作業を進め、申請書通り、高温高圧でのアルコールのラマン散乱の測定を行う。
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Causes of Carryover |
内定通知が届いた時、本研究で使う予定の分光器のコントローラーに不具合が生じており、周辺機器にも不具合があったので、まずは修理を行い、その後、購入予定の加圧ポンプとレーザーの選定を開始した。ポンプについては年度内の納品が可能であったが、レーザーについては高額であったため手続きに時間がかかり、発注は年度内に完了したものの、納品が2017年4月になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
レーザーが納品され検収も終えたので、学内会計システムで科研費の項目に入力ができるようになり次第、使用金額を反映させる。
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