2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K05512
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉森 明 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90260588)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 良 九州大学, 理学研究院, 准教授 (60363347)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 粗視化方程式 / 内部自由度をもった粒子 / 分子の回転運動 / 局所平衡分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
[目的] 密度場や運動量場の平均の方程式は、様々な分野で使われている。例えば、液体の粒子性を研究するのに動的密度汎関数理論が使われ、fluctuation hydrodynamicsもいろいろな液体の動的性質を表すのに使われる。これらの方程式は、粗視化方程式と呼ばれ、Stokes則の導出にも使われる。これらの粗視化方程式は微視的なハミルトニアンからしばしば導かれるが、それに比べ、構成粒子が、ランダム力を含むランジュバン方程式にしたがう場合の導出は少ない。ここでは、構成粒子が回転の自由度を持つ時に、密度場や運動量場の平均の方程式をランジュバン方程式から導出し、その時必要な近似の物理的な意味をを明らかにする。 [方法] まず、回転の自由度を含むランジュバン方程式から密度場や運動量場の厳密な方程式を導き、それらを局所平衡分布により平均する。この場合、局所平衡分布は、平均する前の密度場、運動量場、角運動量場と、化学ポテンシャル、速度場、角速度場で書ける。 [結果] 密度場や運動量場の平均の式を、オーバーダンプの場合、アンダーダンプの場合の両方の場合に導いた。オーバーダンプの場合は密度場の平均の時間変化を表す式を、アンダーダンプの場合は密度場に加え運動量場の平均の式を導いた。いずれの場合も自由エネルギーを使った式で書ける。 自由エネルギーは汎関数で、運動量場と角運動量場の依存性をあらわに得ることができた。さらに係数のの反対称性も証明した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画はほとんどすべて終わり、あとは論文にまとめるだけである。その次の段階の粗視化方程式の研究を開始した。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初、計画した研究をまとめ論文にする。粗視化方程式の研究も進め、一般論の構築を考える。すなわち、与えられた基礎方程式のに対して、粗視化方程式を作る一般的な方法を開発する。
また、Stokes則の研究成果を使い、境界条件がstickの場合を考察する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大のため、学会、研究会が中止になり、出張できなかった。
|
Research Products
(3 results)