2016 Fiscal Year Research-status Report
水とイオンが駆動するタンパク質高次構造形成の統計力学
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16K05519
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 紀生 九州大学, 高等研究院, 准教授 (10390650)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ドメインスワッピング / 多量体形成 / シトクロームC / 3D-RISM / MDシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、シトクロームCのドメインスワップ二量体および単量体の構造安定性を分子シミュレーションと3D-RISM法を用いて解析した。まず、結晶構造をもとに二量体および単量体について構造サンプリングを行った。得られた構造に対し、3D-RISM法を適用し、水和構造および水和自由エネルギーを算出した。自由エネルギーの成分解析から、二量体構造の安定化・不安定化に寄与しているアミノ酸残基を抽出した。この情報をもとに、安定な二量体を形成できる変異体を提案した。変異体構造にたいしても野生型同様に分子シミュレーションおよび3D-RISM法による解析をおこない、大幅に二量体構造が安定化されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野生型のドメインスワップ二量体形成における構造安定性について十分議論することができた。また、その発展として安定な変異体設計をおこない、安定化・不安定化のための指針を示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究で提案した変異体を、連携研究者により実験により実際に作成し、二量体生成量・安定性について確認を行う。 また、二量体形成過程におよぼすイオンの影響について精査する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた国際学会よりもより良い国際学会が次年度に開催されることが分かったため、出張旅費を次年度へ繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際学会の出張旅費および参加費として使用する
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