2019 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamically heterogeneous structure from liquid to glass in crystalline and non-crystalline aqueous solutions
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16K05522
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
新屋敷 直木 東海大学, 理学部, 教授 (00266363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木原 晋 東海大学, 理学部, 教授 (40191093)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 誘電緩和 / 水溶液 / 高分子 / たんぱく質 / アルコール / 氷 / ガラス転移 / 階層構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゼラチン、牛血清アルブミン(BSA)、リゾチウム、poly(vinyl pyrrolidone) PVP, poly(ethylene imine)PEI, poly(vinyl methyl ether) PVME, およびpoly(ethylene glycol)水溶液について、高分子濃度 60 wt.%以上の氷結しない水溶液と、氷結する水溶液の10 mHz-50 GHzの周波数域、室温から-150℃の温度域での広帯域誘電分光(BDS)測定を行った。氷結した水溶液で、不凍水、氷、水和した高分子の分子運動による緩和が観測された。さらに水溶液で複数の氷の緩和の存在を明らかにした。また、これまで水和した高分子の緩和は界面分極が重なっている特徴を示したが、PVP水溶液でPVPの分子運動と界面分極の関係を明らかにした。 氷結しない濃度のPVP, PEI,およびPVME水溶液で、主に水と高分子の分子運動に起因する緩和が本研究によってはじめて同時に観測された。高分子と水の分子運動の速さは何ケタも異なっているが互いに影響し合っていることを明らかにした。 水溶液と比較するためプロピレングリコール、エチレングリコール、プロパノールの65wt% PVP溶液のBDS測定を行った。PVP水溶液ではPVPのα緩和と水の2種類の緩和が同時に観測され、速い水の緩和時間はPVPのα緩和のガラス転移温度(Tg PVP)でnon-Arrhenius-Arrheniusクロスオーバー(non-A-A CO)を示した。一方、PVPアルコール溶液でもPVPのα緩和が観測された。Tg PVP以上で1つアルコールの緩和が観測されたが、Tg PVP以下で2または3つの緩和に分離し、遅い溶媒の緩和のガラス転移温度付近で速い溶媒の緩和でnon-A-A COが現れた。
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[Journal Article] Heterogeneous solvent dielectric relaxation in polymer solutions of water and alcohols2020
Author(s)
K. Sasaki, K. Bandai, M. Takatsuka, M. Fujii, M. Takagi, R. Kita, S. Yagihara, H. Kimura, N. Shinyashiki,
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Journal Title
Frontiers in Physics
Volume: 8
Pages: 84-1, 84-11
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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