2016 Fiscal Year Research-status Report
火星磁気異常の高分解能マッピングに基づく火星進化の研究
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16K05534
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
綱川 秀夫 東京工業大学, 理学院, 教授 (40163852)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 火星 / 磁気異常 / 地殻 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の計画と実績 (1)データセレクション SVM法の第1回解析において|モデル値-観測値|>4σを示した観測点を除外し、残ったデータに基づいて再計算するプログラムを作成した。数箇所の地域に適用したところ、除外した観測点は、ある特定のパスに集中していることが多く、火星プラズマシートによる磁場擾乱の影響を受けた観測パスと推定される。これまでの結果では、擾乱を受けたと思われるパスの割合は数%以下である。しかしながら、SVM法の解析に対する影響は小さくなく、特にトレードオフ・パラメータ(データフィッティングとパラメータ・ノルムとのトレード)の大きさを左右する。なお、Tsunakawa et al. (2014,2015)に記述したSVM法に一部ミスプリントがあったため、正確な数式をホームページで公開することを検討している。 (2)広域磁気異常図の作成 SVM法を数箇所の地域に適用し、広域磁気異常図を作成した。解析地域は、主としてクレータ地域とし、火星地殻構造に関する情報を得られる可能性を検討した。一部の地域において、定常観測データのSVM結果とエアロブレーキングフェーズの低高度観測データとを比較し、短波長成分の対応が明確に見られることを確認した。これまでの解析からすると、暫定的であるが、火星地殻の表面磁場強度と地殻標高に相関が見られる。より具体的に記述すると、「強い磁気異常は標高の高い地域で見られる」ということである。このような地殻構造については、次年度の研究においてより深く検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の年度計画を実行し、ほぼ目標を達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画案に基づいて進めていく。なお、SVM法のプログラムコードを公開することも、新たな検討課題とする予定である。
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Causes of Carryover |
情報収集のための2016年度SGEPSS秋季学会参加(九州大学)につき、大学院生1名分をとりやめたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新たに開催が決まった2017年度SGEPSS秋季学会参加(京都大学)への旅費に充てたい。
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