2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K05568
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
家田 章正 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 助教 (70362209)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 国際情報交流(米国) |
Outline of Annual Research Achievements |
地球の極域電離圏(高度100km)では、数時間に一度、真夜中付近でオーロラが爆発的に増光する。このオーロラ爆発は、より遠方(高度5-20万km)の磁気圏尾部に流れる電流が、磁力線再結合により、電離圏にショートする現象であると想像される。このショート電流(オーロラ電流系)と、磁力線再結合との関係を、衛星および地上観測を用いて解明することが、本研究の目的である。 本年度は、オーロラ爆発の衛星画像と全天画像による同時観測を解析し、研究成果はEarth, Planets and Space誌に受理された。全天画像でのオーロラサブストームの開始(オンセット)は、経度方向に長い「initial brightening」と、その数分後に始まる、極側に拡大する「オーロラ爆発」との二つのステージを持つと考えられている。一方、衛星オーロラ全球画像では、オーロラサブストームの開始におけるこの二つのステージは観測されていない。これまで、衛星観測の時間分解能が悪いために、この相違は特に議論されてこなかった。本研究では、Polar衛星がフィルタを固定した高時間分解観測(37秒毎)を行っていた期間を調べた。その結果、オーロラ爆発は衛星画像と全天画像で同時に観測されていたが、その3分前に開始したinitial brighteningは全天画像でのみ観測されていた。本研究では高時間分解の衛星画像を用いたため、衛星画像でinitial brighteningが観測されなかった原因は空間分解能にあると考えられる。本研究の結果、衛星画像と地上画像で観測したオーロラ爆発を統一的に理解できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オーロラ爆発は、地上観測と衛星観測では取得されたデータが一見矛盾している様に見える。地上観測と衛星観測の違いを考察しオーロラ爆発の定義を議論した研究成果が、論文として受理された。一方、2017年夏期の北米オーロラデータがまだ本格的に公開されていないこともあり、MMS衛星のデータ解析は、本格的には開始しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、概ね当初予定通りに研究を推進する。2017年6月から9月に、米国のMMS衛星、日本の「あらせ」衛星が、地球夜側磁気圏を観測したために、これらの衛星観測を用い、研究対象とするオーロラ爆発イベントを再構成する。また、2018年夏期には、MMS衛星の運用に加わることにより、オーロラ爆発イベントの高時間分解データを確保する。
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Causes of Carryover |
当初年度計画では、記憶装置(レイド、3TBx16=48TB)を購入する予定であったが、前年度に他人が廃棄した旧式の記憶装置(30TB)がしばらく動作可能となったために、購入を見送った。本計画当初では3TBのハードディスクを念頭に置いていたが、最近8-12TBが主流になり、単体のハードディスクの容量が大きくなってきたために、当初計画を変更し、レイドを購入する代わりに、12TBの単体のハードディスクを複数、デスクトップコンピュータに組みこむ予定である。次年度使用額はこのハードディスクの購入に使用する。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Simultaneous observation of auroral substorm onset in Polar satellite global images and ground-based all-sky images2017
Author(s)
A. Ieda, K. Kauristie, L. Juusola, Y. Nishimura, Y. Miyashita, D. H. Fairfield, H. U. Frey, M. O. Fillingim, D. Whiter, F. Honary, N. C. Rogers, Y. Miyoshi, and S. Machida
Organizer
International conference on substorms 13
Int'l Joint Research / Invited
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