2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K05590
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| Research Institution | Kochi University |
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Principal Investigator |
山口 龍彦 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 特任助教 (80397207)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 堆積物 / 有孔虫 / 深海掘削 / 輸送生産 / 始新世 / 漸新世 / 北大西洋 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
始新世後期の植物プランクトンの繁栄が海洋の炭素循環を変えたという仮説を検討する。2012年に統合国際掘削計画の第342次航海によりニューファンドランド沖で掘削されたサイトU1411Bの海洋コアの分析をおこなう。この海洋コアの始新世後期～漸新世前期(38～33 Ma; 1Ma=100万年前)の堆積物に含まれる底生有孔虫の数を計数と堆積物のBa, Ti, Alの量を分析し、海底へ積もる有機物量(輸送生産量)の変動の推定した。
堆積物試料128試料に含まれる底生有孔虫の数を計数し、沈積量(個/cm/kyr)(以下BFAR)を計算した。BFARは堆積物の有機物のフラックスと正の相関があることが知られ、海底へ積もる有機物の量の推定に利用されている。 BFARは4～40で，38～36.5Maでは比較的高い値を(2～15)を示し、36.5～34 Maまで5以下である。 34 MaでBFAR急増し、漸新世前期は高い値(>10)を示す．
堆積物のガラスビードを作成し、元素組成を蛍光エックス線分析装置を使って分析した。輸送生産の代価指標となるBa/Ti比, Ba/Al比の変動を検討した。堆積物試料150試料の元素のうち、Ba/Al比およびCa/Ti比はいずれも37～36.5Maと33.7～33.5 Maで高く、36.5～33.7Maは低くほぼ一定値を維持する。 BFARとBa/Ti比, Ba/Al比の変動は概ね一致する。ニューファンドランド沖では生物生産が始新世後期の37Ma～36.5Ma頃と漸新世前期33.7Maに増加したとことが判明した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検討項目に堆積物の元素組成を蛍光エックス線分析装置が加えた点と初年度に生物生産の変動の推定を行ったことは当初の研究計画とは異なっている。研究計画の全体のうち基礎生産量の変動の推定するという目的は達成できた。
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| Strategy for Future Research Activity |
H29年度に以下の研究課題に取り組む。
1)安定同位体比の検討。海底の水温の変化を明らかにするのと同時により詳細な年代を決定するため、底生有孔虫化石からCibicidoides dohmiおよびOrdorisalis umbonatusを抽出し炭素・酸素安定同位体比を海洋コア総合研究センターのMAT253を使って測定する．
2)底生有孔虫群集の検討。植物プランクトンのブルーミングの開始時期を特定するため、底生有孔虫の群集の検討を行う。特に植物プランクトン捕食者であるEpistominella exiguaとAlabaminella属の増減に注目する。
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| Causes of Carryover |
平成28年度はデータの収集に力をおいたため、学会への参加を予定より減らした。そのため予算の繰越が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度には積極的に学会に参加し成果を発表する。繰越分は学会参加のための旅費に使用する。
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[Journal Article] Taxonomy of Maastrichtian-Thanetian deep-sea ostracodes from U1407, IODP Exp 342, off Newfoundland, Northwestern Atlantic, part 1: Families Cytherellidae, Bairdiidae, Pontocyprididae, Bythoytheridae, and Cytheruridae2017
Author(s)
Tatsuhiko Yamaguchi, Hiroki Matsui, Hiroshi Nishi
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Journal Title
Paleontological Research
Volume: 21
Pages: 54,75
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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