2017 Fiscal Year Annual Research Report
遠紫外分光法と分子科学計算によるアルミナ表面の疎水性メカニズムの解明
Project/Area Number |
16K05672
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
後藤 剛喜 関西学院大学, 理工学研究科, 助教 (00585961)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アルミナ表面 / 界面水分子 / 水素結合 / 水和状態 / 遠紫外分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多角入射ATR遠紫外分光法によりアルミナ表面上の界面水分子の第一電子遷移状態を決定し、そこから界面相の拡散電気二重層中の界面水分子の水素結合状態、イオンの水和状態を電子状態から明らかにすることである。以下に、平成29年度実施した研究成果についてまとめる。 (1) 様々なカチオンの水酸化物塩水溶液の遠紫外スペクトルを測定し、そのスペクトル形状に対する濃度依存性とカチオン依存性から、水酸化物イオンに水和した水分子の電子状態とその水和構造を検討した。そして量子化学計算を用いて詳細な電子状態と水和構造の関係を明らかにした。 (2) 2つのアルミナ表面間(アルミナプリズムとアルミナ基板)に厚さ数十nmの超薄膜水を圧着法で外部より圧力を印加して形成し、アルミナプリズム側から薄膜水のATR遠紫外スペクトルを測定することで、アルミナ表面上のナノ薄膜水の電子状態と水素結合構造を検討した。特にナノ薄膜水の厚みとその水素結合構造の依存性を検討したところ、薄膜の厚みが10nmより薄くなると水分子の第一電子遷移バンドが急激に高エネルギー側へ変化し、空間的な制限による立体水和力の効果でナノ薄膜水の水素結合構造はバルク状態から氷状態に急激に変化することが明らかになった。
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Research Products
(5 results)