2016 Fiscal Year Research-status Report
複数のリン原子からなる屈曲型化合物を基盤とした発光性ホスト分子の開発
Project/Area Number |
16K05684
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山村 正樹 筑波大学, 数理物質系, 講師 (40524426)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リン原子 / 共役系 / 蛍光 / 曲面分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
リン原子を複数含む屈曲型共役系分子の合成に取り組んだ。柔軟性を持つ曲面構造とリン原子のσ*軌道と芳香環のπ*軌道の共役を合わせ持つ化合物とすることで、曲面構造の変化を共役系の変化へと連動させることが期待される。ゲスト分子を取り込むことで曲面構造を制御できるホスト分子の開発を目標とする。 本年度は、申請者が過去に開発した屈曲型化合物の置換基を変えた誘導体に取り組んだ。また、2つの屈曲型化合物を連結して環状化合物とすることにより、環状のホスト分子を目指した。置換基として、ベンゼン環のリン原子のp位に水酸基を導入した新規化合物の合成に成功した。また、水酸基を有する化合物を原料に、アルキル基を有する誘導体を、水酸基をTfO基へと変換後、鈴木-宮浦カップリング反応によりアリール基を導入した誘導体を合成した。これらの誘導体の蛍光測定を行ったが、いずれも440-450 nmに極大をもつ蛍光を示し、蛍光波長に及ぼす置換基の影響はほとんどなかった。また、全ての化合物の蛍光量子収率は0.68程度となった。 水酸基のアルキル化などを用いて、2つの屈曲型化合物を連結することを試みたが、反応途中で各種溶媒に難溶性の高分子成分が生成したため、目的物の単離にはいたらなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2つの屈曲型化合物を連結した環状ホスト分子の合成において、難溶性の生成物が生じて目的物の単離にはいたらなかった。また、簡単な置換基を導入するだけでも化合物の溶解度が著しく低下したため、合成法の検討に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き環状ホスト分子の合成を検討する。環状化合物に加えて、より合成が簡単な鎖状ホスト分子の合成もあわせて検討する。また、屈曲型化合物は十分に高い蛍光量子収率を示すことが分かったので、屈曲型化合物単体でも蛍光性ホスト分子として機能するか検討を行う。
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Research Products
(12 results)