2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of One-pot Multifunctionalization of Terminal Alkynes
Project/Area Number |
16K05694
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 智也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10378804)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 有機合成化学 / 有機金属化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、末端アルキンのワンポット多官能基化反応により合成されるC3対称性を持つ光学活性シクロファン([3]CPPC)のユニークな構造上の特徴を活かし、ベンゼン環上に規則的に配列された重水素により不斉誘起されたキラル炭化水素(2H6-[3]CPPC)の合成に成功している。さらに、VCDスペクトルとDFT計算によるシュミレーションを比較することで、2H6-[3]CPPCの絶対立体配置を決定した。これは2H/1H原子の非対称配置により不斉誘起されたキラル水素同位体炭化水素の絶対立体配置をVCD測定により決定した、2例目になる。一方、13C/12C原子の非対称配置によるキラル炭化水素の絶対配置の決定例は、1例もない。そこで本研究では、13Cを導入することで不斉誘起されたキラル炭化水素(13C3-[3]CPPC)の合成とVCD測定による絶対立体配置の決定を試みた。まず13C源として13CO2を用い、末端アルキンのワンポット多官能基化反応で得られた知見を活かして13Cを規則的に3つ有するC3対称性13C3-[3]CPPCを合成した。ついで、得られた13C3-[3]CPPCのVCD測定を行ったところ、VCDスペクトルとDFT計算によるシュミレーションが合致して絶対立体配置を決定することができた。。さらに我々は、より単純な構造を有する13C1-cis-1,2-ジフェニルシクロプロパンを末端アルキンのワンポット多官能基化反応を参考にして合成をした。得られた13Cを1つ有するキラル炭素同位体炭化水素のVCD測定を行ったところ、この場合もVCDスペクトルとDFT計算によるシュミレーションが合致して絶対立体配置を決定することができた。すなわち本研究により、13Cを導入することで不斉誘起されたキラル炭素同位体炭化水素も、VCD測定によって絶対立体配置が決定できることを明らかにした。
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Research Products
(10 results)