2018 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of the charge bistability and functions based on structural control in halogen-bridged metal complexes
Project/Area Number |
16K05713
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高石 慎也 東北大学, 理学研究科, 准教授 (10396418)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ハイブリッドペロブスカイト / 混合原子価 / 太陽電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
ペロブスカイト構造ABX3のAサイトに有機アンモニウム、Bサイトに金属、Xサイトにハロゲンを組み合わせたものは有機-無機ハイブリッドペロブスカイトと呼ばれ、その有機アンモニウムのサイズを変えることによって構造や電子状態を制御することが可能となる。中でも、中心金属に鉛を用いた系は太陽電池の色素兼電荷輸送層として用いることで優れた光電変換効率を示すことから、近年大きな注目を集めている 。一方で、中心金属に金を用いたペロブスカイト化合物では、アルカリ金属イオンをカチオンに用いた錯体において高圧下の電子物性に関する研究が多くなされているが、有機カチオンを用いた例はほとんどなく、その物性もほとんど未開拓である。本研究では、種々の有機アンモニウムを用いることで新規のハイブリッド金ペロブスカイト錯体を合成するとともに、その構造や物性について明らかにすることを目的とした。本研究では、メチルアンモニウム(MA)、ホルムアミジニウム(FA)、イミダゾリウム(IMD)、ジメチルアンモニウム(DMA)、グアニジウム(GUA)、ピリジニウム(PY)、ピペリジニウム(PIP)の7つの有機カチオンを用いて錯体の合成を行った。A = MAとFAの錯体の結晶構造は、単結晶X線構造解析によって明らかにした。いずれの錯体も室温付近において相転移を示すことが明らかとなり、特にA = MAの錯体は低温においてc軸方向の周期が2倍になることを見出した。また、カチオンサイズの大きなIMD、DMA、GUA、PY、PIPを用いた錯体においては、[AuI2]-サイトに[I3]-がドープされることが明らかとなった。そのドープ量を結晶構造解析における金の占有率の値や、ICP発光分析により明らかにした。
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Research Products
(4 results)