2019 Fiscal Year Annual Research Report
Activation and derivatization of metal hydride complexes via one-photon two-electron processes and the catalytic reduction of substrates for C1 chemistry
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16K05721
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
末延 知義 大阪大学, 工学研究科, 助教 (90271030)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 金属錯体 / 光化学 / 水素 / 温室効果 / レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
金属錯体の光化学反応研究において、金属-配位子間結合の活性化は、これまで主に金属カルボニル錯体の光CO解離(電子遷移)や金属-金属、金属-炭素結合の光均一化開裂(1光子1電子移動過程)に関する基礎研究があるものの、金属ヒドリド錯体の光化学研究は未だ探求の余地が残されている。生じる配位不飽和錯体は、多くの触媒反応活性種としての利用も期待できる。したがって、金属錯体の反応性や触媒特性を最適化して水素放出を抑制し、協同触媒作用も利用して、高効率1光子多電子還元を実現することが期待できる。ギ酸、ホルムアルデヒド、メタノール等のC1化合物として選択的に液化固定できれば、温室効果ガスを削減して地球温暖化の抑制に寄与できる。これまでに二酸化炭素の触媒的還元によって一酸化炭素の選択的生成を可能とする人工光合成型光電気化学触媒系の構築に成功したが、1光子多電子還元の進行の観測には、レーザー時間分解分光計測が不可欠であることがわかり、その後、特にサブナノ秒の時間分解能を有する最新の分光計測技術を取り入れることで光触媒反応機構解明について研究が進展して多数の論文発表を行った。また、金属錯体やその配位圏が固体結晶状態で可動な新規な光応答性分子性材料を実現し、持続可能な触媒系構築への展開も図った。
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Research Products
(35 results)