2018 Fiscal Year Annual Research Report
Developement of Novel Catalyst with Synergetic Function of Surface Metal and Organic Structure
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16K05723
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
久米 晶子 広島大学, 理学研究科, 准教授 (30431894)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 二酸化炭素還元 / 金属銅 / 修飾電極 / CuAAC / 有機ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は本研究で開発したon-surface修飾方法の有用性について明らかにした。また、本手法は様々な有機構造を容易に金属表面に取り込むことが可能であるが、有機構造の種類が二酸化炭素還元の選択性にバイアスを加えられることを明らかにした。 On-Surface修飾方法の有用性として、同種の低分子トリアゾール誘導体をキャスト法で修飾した場合には、二酸化炭素還元の効率が低下し水素発生の割合が増加した。On-surface修飾では逆に全体的な電流密度の低下なしに二酸化炭素還元の効率が増大する。したがって、従来の低分子吸着で自発的に生じる密な2次元パッキング構造を阻害し、表面銅原子のオープンサイトと有機物を近接配置させることで、特異な反応空間が生じるといえる。 また導入する有機物として、フェニル基に加え、3級アミノ基、ピリジル基について修飾を行ったところ、いずれの電極も二酸化炭素還元効率が未修飾に比べ上昇したが、フェニル基の場合に比べアミノ基ではメタンの、ピリジル基ではエチレンの発生比率がそれぞれ増大し、導入する構造によってメタン・エチレン比が逆転した。3級アミンについて生成物の電位依存性を詳細に調べたところ、過電圧が低い場合には、水素を効率よく発生するが、ある閾値を超えると水素の発生量が低下し、メタン発生が急激に立ち上がった。このことはアミノ基を修飾した電極で、低過電圧で水素、高過電圧でメタンを効率よく発生する特異な反応サイトが生成していることを示している。導入したアミノ基が露出した銅原子に近接したサイトが発生し、効率よくプロトン供給が行われるためにCO2還元の閾値より低い電位では水素を、高い電位ではエチレンよりも消費プロトンの多いメタンを選択的に発生したものと考えている。
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