2018 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis and properties of new metallic compounds with covalent networks
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16K05724
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福岡 宏 広島大学, 工学研究科, 助教 (00284175)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 共有結合性金属間化合物 / クラスレート / Zintl相 |
Outline of Annual Research Achievements |
以前に当研究者らは、BaとSiからなる二元系クラスレート化合物 Ba8-xSi46、 Ba24Si100や、BaとGeからなる二元系クラスレート化合物 Ba24Ge100等の合成と構造解析に成功し、これらがいずれも超伝導体となることを報告している。とくにBa24Si100、Ba24Ge100は、14族元素単独のホスト骨格をもつ化合物としては、新構造となるクラスレート化合物である。これらのクラスレート構造は20個のSiまたはGeからなる正二十面体や、24個のSiまたはGeからなる二十四面体のカゴを含んでおり、Baはそのカゴの中に内包されている。最終年度の研究では、新構造を有するクラスレート化合物の探索を目的としており、特にこれまでにない小さいサイズのカゴを持つクラスレートの合成を試みた。様々なゲスト元素とケイ素、ゲルマニウムとの反応を検討した結果、ケイ素とマグネシウムの二元系において、新しいクラスレート化合物の合成に成功し、所期の目標を達成することができた。得られた化合物について、単結晶構造解析によって結晶構造を解析した結果、この新しい珪化マグネシウムは、15個のSi原子が形成するカゴの中にMgが内包された新しいクラスレート構造を持ち、このただ一種類のカゴが面を共有することで、全体構造が形成されていることを見出した。更に興味深いことに本化合物中における全てのSi原子は4配位であることがわかった。本構造は、14族元素が形成するクラスレートとしては、5番目となる新しいクラスレート構造であり、最小のサイズのカゴをもつシリコンクラスレートである。更にバンド計算によって、本化合物は金属的なバンドを持つことも判明した。なお、初年度と二年目の研究では、新しいLu-Y-Ge三元型層状超伝導化合物の新規合成とその構造解析、ならびに超伝導転移温度と電子構造との相関についての詳細な研究を行った。
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[Journal Article] Metamagnetic crossover in the quasikagome Ising Kondo-lattice compound CeIrSn2018
Author(s)
S. Tsuda, C. L. Yang, Y. Shimura, K. Umeo, H. Fukuoka, Y. Yamane, T. Onimaru, T. Takabatake, N. Kikugawa, T. Terashima, H. T. Hirose, S. Uji, S. Kittaka, and T. Sakakibara
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 98
Pages: 155147
DOI
Peer Reviewed
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