2016 Fiscal Year Research-status Report
The Interface Structure of Oriented Surface-mounted Metal Organic Framework
Project/Area Number |
16K05730
|
Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
田 旺帝 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (40344501)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 配位高分子薄膜 / 単結晶酸化物表面 / 自己組織単分子膜 / 表面X線吸収微細構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は単結晶表面における初期段階のSURMOF の構造解明に重点をおきながら、2次元PCP/MOFの境界面構造のモデル構築について研究を進めた。まず、1)初期段階のSURMOFについては、Au(100)単結晶を4-mercaptobenzoic acidで修飾した自己組織単分子膜表面に、LPE法により[Cu2(bdc)2dabco]n薄膜が形成できることをPM-FTIR-RAS, XPSにより明らかにした(ECS Transaction, 75, 2017)。一方、新たな系として、吸着やセンサー、光触媒反応などに機能を有するFe-MIL(ACS Catal., 2(2012)1910; J. Am. Chem. Soc.,134(2012)20701)を取り上げ、単結晶TiO2(110)表面にLPE法による薄膜化に取り組んだ。全反射蛍光XAFSの結果、薄膜化の初期段階からバルク構造に近い構造が形成することを捉えた。 2)2次元PCP/MOFの境界面構造のモデル構築については、Catecholで修飾したTiO2(110)表面に高電気伝導性や電荷貯蔵の特性を有することが知られている2次元Ni-HTTP-MOF(Chem. Mat., 24(2012)3511) を取り上げ、LPEによる2次元MOF薄膜の作成を試みた。しかし、TiO2(110)表面ではNi-HTTPの形成は認められず、今後、反応条件や基板をAu(111)やSi(100)に切り替えMOF薄膜化にチャレンジする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全体としてはおおむね順調であるが、MOF薄膜化の多様化(Fe-MIL系、Ni-HTTP)にやや遅れが生じている。今後は酸化物単結晶表面の修飾を多様化(カルボキシ基だけでなく、ホスホン酸など)するとともに、SAM表面による薄膜化を推進する。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年に続き、1)初期段階のSURMOF 構造解明による配向制御原理の解明に研究の軸をおきながら、2)異種PCP/MOF 境界面構造について研究を進め、制御原理や基礎的設計指針を示す。まず、研究項目1)については、単結晶表面またはSAM 表面に構築した様々な機能性SURMOF の初期段階の構造解明を進め配向制御SURMOF と固体表面構造との相関について基礎的共通原理を明らかにする。 研究項目2)については、前年度に引き続き、二次元PCP/MOF を形成し、異種PCP/MOF境界面モデル構築の可能性を探る。 さらに、長距離周期構造が乏しい境界面構造の結合様式をより詳細に決定するため、極低温偏光全反射蛍光XAFS装置の設計・制作と評価を行う。具体的には、数ミリラジアンという全反射条件を満たせるよう、機械的振動が小さいHeフロー式クライオスタットを改良し、自作の全反射自動ステージに取り付け、極低温(10K以下)全反射蛍光XAFS測定にチャレンジする。
|
Research Products
(5 results)