2018 Fiscal Year Annual Research Report
Advancement of non-precious metal composite oxide electrocatalysis
Project/Area Number |
16K05746
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
光島 重徳 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (70323938)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 水電解 / アノード / 酸化イリジウム |
Outline of Annual Research Achievements |
工業電解の目的反応がカソードでの還元反応であることが多く、このとき対極のアノード反応には水を分解する酸素発生反応が選択される。酸性電解質中での酸素発生反応の電位で安定な物質は貴金属ならびにチタン、タンタルなど弁金属とも呼ばれる4,5族酸化物や貴金属酸化物に限られており、工業電解用の実用電極としては寸法安定性電極(DAE)と呼ばれるチタン系基材に貴金属酸化物を熱分解担持したものが用いられる。貴金属の担持量は1㎡あたり数十g程度であり、実用上、貴金属使用料を削減しなければならない。とくに、再生可能エネルギーから大規模に水素を製造してエネルギー利用する場合には担持量削減の要求は大きい。 4,5族金属酸化物は耐食性が優れているものの、一般的には電気的に絶縁性で電極触媒には使用されない。しかし、マグネリ相の低次のチタン酸化物は黒鉛並みの電導度があり、欠陥や炭素や窒素を含有する4、5族酸化物は光触媒や酸素還元電極触媒としての機能があることが報告されている。 そこで本研究では、チタン基材の表面を様々な酸素濃度で焼成し、酸化チタン自体の安定性を議論するとともに、イリジウム担持量を担持量が0.02 mg/㎝2と、通常の工業電解用電極の1/50~1/100以下として酸素発生触媒能及び耐久性の評価を行った。 その結果、1000℃程度の高温、低酸素分圧化で酸化したチタン表面は通常の工業電解で用いられる500℃空気中で酸化したチタン表面より電子伝導性、高電位での安定性ともに優れていた。また、酸化イリジウムを微量担持したときの酸素発生電極活性、耐久性ともに優れた性質を示した。本材料の触媒活性が酸化イリジウムの高比表面積化の効果で説明できるのか、それとも酸化イリジウムと酸化チタンの相互作用によるものであるかは明確ではないが、今後の貴金属使用量を低減した電極触媒材料開発に方向性を与える結果である。
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Research Products
(1 results)