2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development and Application of Regio- and Stereoselective beta-Mannosylation Utilizing Organoboron Reagents
Project/Area Number |
16K05781
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 大介 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (00509929)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | グリコシル化反応 / 糖鎖 / β-ラムノシド / 有機ホウ素化合物 / 立体特異的 / 位置選択的 |
Outline of Annual Research Achievements |
天然には、β-マンノシドやβ-ラムノシドに代表される1,2-cis-β-グリコシド結合を有する生物活性物質が数多く存在しており、その構造活性相関の解明に関する研究が精力的に行われるようになってきている。そのため現在、これら配糖体天然物および類縁体の合成的供給が強く求められている。しかし、1,2-cis-β-グリコシド結合の立体選択的な構築は、糖供与体の2位保護基による隣接基関与やアノマー効果が利用できないことから、未だ困難であり、解決すべき課題の一つである。本研究では、有機ホウ素化合物の化学的特性を活用した1,2-cis-β-グリコシドの位置及び立体選択的グリコシル化反応の開発と応用を目的として行った。研究の最終年度である本年度は、具体的に以下の研究を行い、成果を得た。
1、ビス(4-フルオロフェニル)ボリン酸触媒を用いた、1,2-アンヒドロラムノースと各種モノオールとのグリコシル化反応が速やかに進行し、望むβ-ラムノシドが高収率かつ単一異性体として得られることを初めて見出した。次に、13C KIE及びDFT計算を用いた反応機構解析を行った結果、本反応が高分離性の協奏的なSNi型の反応機構で進行することを見出した。
2、1,2-アンヒドロラムノースと4,6位水酸基が遊離のジオール糖受容体とのグリコシル化反応を、4-ニトロフェニルボロン酸触媒を用いて検討した。その結果、本反応が、アセトニトリル溶媒中、高位置および立体選択的に進行しβ(1,4)-ラムノシドが高収率で得られることを初めて見出した。次に、本反応が、種々の4,6-ジオール糖受容体を用いた場合でも適応可能であることを明らかにした。さらに、本手法を用いることで、肺炎球菌の糖鎖抗原の部分構造を効率的に合成することに成功し、本グリコシル化反応の有用性を明らかにした。
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