2018 Fiscal Year Annual Research Report
Feasibility study on detection of fungicides on agricultural produces with SERS
Project/Area Number |
16K05823
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
竹井 弘之 東洋大学, 生命科学部, 教授 (40520789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 隆之 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 特別嘱託研究員 (40185476)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 防かび剤 / 柑橘類 / 表面増強ラマン分光法 / SERS / 銀ナノ構造 / 置換反応 / in-situ検出 / 近接場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、柑橘類表面に付着した防カビ剤の分析方法の開発である。化学物質の分析技術として表面増強ラマン分光法(SERS法)が挙げられるが、吸着物質の分析にはこれまで適していなかった。今後、TPPを通じて農作物の輸入量が増大することが予想されるので、迅速かつ簡便な分析法が重要となる。我々は立体的なナノ構造を基板表面に形成し、柑橘類表面に圧着させる分析方法を提案した。 初年度は、基板上に吸着されたシリカナノ粒子に卑金属を蒸着し、硝酸銀との置換反応により銀ナノ構造を形成するといった方法を実施するため、温度制御機能を有する反応槽を準備し、また暗視野条件での散乱スペクトル取得について検討した。初年度に完成した作製プロトコールに従って、次年度には様々な条件(シリカ粒径、蒸着厚、卑金属の種、反応温度)にて銀ナノ構造を作製し、二つのモデル分子(rhodamin 6G、BPE)を用いてSERS効果の評価および形態観察を行なった。また、交差構造についてFDTDによるシミュレーションや、ハイパースペクトルイメージング装置を用いた散乱スペクトルの取得に着手した。 最終年度においては、最適化銀樹(卑金属:銅、卑金属厚:60 nm、シリカ粒径:700 nm、反応温度:20℃)を樹脂シートの表面に形成させて”FlexiSERS”を準備した。フェルバムおよびTBZの500 ppmエタノール溶液を調製し、洗浄したオレンジの皮を10分間浸した。乾燥後、FlexiSERSをオレンジ表面の複数のスポットに数秒間押し付け、顕微ラマン装置でSERSスペクトルを取得した(露光時間:1秒、積算回数:16回)。基板固有のピークと共に防カビ剤固有のピークも観察された。
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Research Products
(7 results)