2018 Fiscal Year Annual Research Report
Simple and high-performance diagnostics chip using paper, film and tape
Project/Area Number |
16K05833
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
渕脇 雄介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80468884)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | チップ / ウイルス / 多項目 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、Press-Through Pack(PTP)方式によって抗原や洗浄液などの試薬を封入したカートリッジと分析チップを組み合わせることで、試薬の供給から検出までの自動化を検討した。抗原抗体反応は、サンドイッチ法により不活化処理したインフルエンザの標品ウイルス抗原に対して、15分で検出するための検討を行った。その結果、マイクロ流路は試薬が少量であることからより強いシグナルを強く得るには固相化抗体と酵素標識抗体について高濃度化する必要があった。更に複数回、酵素標識抗体をチップに滴下することで、抗原反応部に複数回標識抗体が供給されるため、シグナル増感を検討した。その結果、2滴試薬を滴下すると約1.5倍のシグナル増感が認められ、3滴試薬を滴下すると約1.7倍の増感が確認できた。また固相化抗体と抗原の反応時間を5分長くして、加えて抗原と酵素標識抗体との反応時間を5分長くすると、検体滴下から約25分で検出ができ濃度算出できる標準曲線も作成することができた。一方、自動化についてはPTP方式によりローラーを動かして試薬を順次滴下することを確認して、多項目検体をはかるためのデザイン及び試作を繰り返し行い、知財出願を行った。 また抽出チューブ内で抗体や試薬を予め反応させて、1ステップで検出することを検討したところ、同一濃度で変動係数が20%以上になったことから定量は困難であったが、半定量及び高感度な定性分析は可能であることが示唆された。さらに酵素反応に伴う発色をスマートフォンで検出するため新たにアプリの作成を検討した。発色の強さを色の濃淡の強さで定量化する。その結果、外乱光の輝度値を補正することで、変動係数10%以下で発色に伴う吸光度を測定できることがわかった。以上より、検体を滴下してPTPカートリッジをセットすると、トータル30分以内でスマートフォンにより定量できることを実証した。
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Research Products
(9 results)