2016 Fiscal Year Research-status Report
環境調和型プロセスによる植物バイオマス由来炭素繊維の開発
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16K05863
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
石井 大輔 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (70415074)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 芳香族ヒドロキシ酸 / アミノ酸 / ポリエステルアミド / 耐熱性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
今年度は米ぬかから取得可能な芳香族ヒドロキシ酸であるフェルラ酸と、アミノ酸として最も単純な構造を持つグリシンをモノマーユニットとする交互共重合ポリエステルアミドの合成を行った。水酸基をアセチル基でブロックしたアセチル化フェルラ酸と、カルボキシ基をメチル基でブロックしたグリシンメチルエステルのアミド化を行い、得られたアミド化物のメチル基を脱保護して重合前駆体であるアセチルフェルロイルグリシン（AcFAG）を得た。このAcFAGを減圧下200℃で1時間から16時間の範囲で重合を行ったところ、硬質な樹脂を得ることができた。この重合物は約190℃という高いガラス転移温度を持ち、加えて300℃においても熱分解を示さない高い耐熱性を持っていることが明らかとなった。さらにクロロホルムなどの汎用の有機溶媒には不溶であり、ペンタフルオロフェノールにのみ可溶であったことから、高い有機溶剤耐性を持つこともわかった。得られた重合物は重量平均分子量39,000というポリエステルアミドとしては高い分子量を持つ画分からなり、これにより高い強度を持つ成形体および繊維となることが期待される。すなわち、プラスチックとしての指標である重量平均分子量1万を超える重合物を得ることができた。今年度確立できた共重合ポリエステルアミドの合成経路に基づき、次年度以降、グリシンより長いアルキル連鎖をもつ種々のアミノ酸とアセチル化フェルラ酸の交互共重合ポリエステルアミドを合成し、それらの熱的特性や力学物性、溶剤耐性を検討していく。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所期の目的である芳香族ヒドロキシ酸とアミノ酸を用いた交互共重合ポリエステルアミドの合成経路を確立し、プラスチックとしての指標である重量平均分子量1万を超える重合物を得ることができたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度確立できた共重合ポリエステルアミドの合成経路に基づき、次年度以降、グリシンより長いアルキル連鎖をもつ種々のアミノ酸とアセチル化フェルラ酸の交互共重合ポリエステルアミドを合成し、それらの熱的特性や力学物性、溶剤耐性を検討していく。さらに得られた重合物の結晶性や熱流動性に関する解析や、繊維や成形物への加工条件についても検討していく。
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