2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel tetrabenzoporphyrins with excellent semiconductor properties
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16K05892
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
伊藤 智志 宇都宮大学, 工学部, 助教 (60361359)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | 有機半導体 / ポルフィリン / カップリング反応 / ハロゲン化 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は研究計画に記した一連の化合物のうち、最も合成が困難な5,15-非対称二置換ベンゾポルフィリン(BP)の合成経路を確立し、半導体特性を含めた基礎物性の測定を行った。具体的には、ポルフィリンmeso位の選択的臭素化とSuzukiカップリングを繰り返し行うことで、5位と15位に異なる任意の置換基を持つBPを合成することに初めて成功した。一般に、電子供与性基と電子吸引性基を併せ持つ5,15-非対称ジフェニルポルフィリンは、原料となるアルデヒドの反応性が大きく異なるため、その合成は極めて困難とされてきた。今回確立した合成法を用いればその種の誘導体の合成も可能であり、実際に5位にN,N-ジメチルアミノ基(強力な電子吸引性基)、15位にメトキシカルボニル基(強力な電子供与性基)を持つBPの合成に初めて成功した。さらに本研究期間内に、BPの5位にフェニルペンチル基を導入すると無置換の約10倍、また5,15-ジフェニルペンチル体においても10-3 Scm-1オーダーの良好な電子伝導度を示す事を見出している。令和元年度に合成した5位にフェニル基、15位にフェニルペンチル基を持つ非対称二置換BPについても、10-4 Scm-1程度の比較的良好な半導体を示した(この値は、同様の分子骨格を持つ5,15-ジフェニルBPの約1000倍)。BPへの置換基導入により、その半導体特性を向上させた初めての例となる。本研究成果は、合成上の制約を大きく取り払うものであると共に、低分子系機能性有機材料として有望性されているBP類のポテンシャルを高めるものである。
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[Journal Article] Synthesis of quinolyl-pyrrole derivatives as novel environment-sensitive fluorescent probes2019
Author(s)
Ryo Shinotsuka, Toru Oba, Takahiro Mitome, Takuto Masuya, Satoshi Ito, Yukie Murakami, Tomoko Kagenishi, Yutaka Kodama, Masaru Matsuda, Takashi Yoshida, Minoru Wakamori, Masamichi Ohkura, Junichi Nakai
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Journal Title
Journal of Photochemistry and Photobiology A: Chemistry
Volume: 382
Pages: 111900
DOI
Peer Reviewed
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